昔のこと

 永い冬が終わる時

記・2006年 6月 11日 《田舎を出る一ヵ月半前に書いたものです。ここの出てくる同僚とは、当時派遣で働いていた会社の同じ部署の人達のことです。AV調教中の純情少女Nちゃんともここで知り合いました。このブログのもともとのタイトル「アダルトビ…

 欲望という名の電車

記・2006年 5月15日 《家を出ることを両親に告げた直後に書いた日記です。母には号泣されました。既に新しい仕事も決めて、それまで居た会社にも退職の旨を告げた後で親に話したのです。反対されるのわかってたし、反対されるようなことをしでかした…

 雪が消えた、蒼い山が見える

記・2006.2.26 《前回の如く、昔田舎に居た頃に書いたものです。昔ってほど昔じゃないか。まだ、2年しか経ってないんや。これを書いた5ヶ月後に私は家を出るのです。出る一ヶ月前まで親に内緒にしてたけど・・・アカン言われるのわかってたから就…

果てしない吹雪の村

記・2005.12.12 《以下の文章は、私がまだ街に戻る前、不本意な形で実家に居た頃、この地を出たい出たいと思いながら鬱々とした日々を過ごしていた頃にmixiに書いたものです。これから少しだけ、過去に書いたものをUPします。田舎に戻り、もう一…

六道の辻

何も気にせずに歩いていればおそらく目に留まることもないであろう小さな石碑には「六道の辻」と書かれている。 六道とは「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天道」 六つの世界。 京都東山阿弥陀が峰から東大谷にかけては古来より死者の風葬の場所・鳥辺野と呼…

鳥辺山心中

一人来て二人連れたつ極楽の 清水寺の鐘の声 早や初夜も過ぎ四つも告げ 九つ心の闇路をば 照らすやいなや稲妻の 光りし後の暗さこそ我等二人が身の上よ 今はなまなか長へだてを したる憂身に愛想も小想も 尽きた浮世やいざ鳥辺野の露と消えん 「鳥辺山心中」…

桜の墓

友人と別れて私は大阪城を眺めながら川沿いの桜の回廊を歩いた。満開の桜が果てしなく続くこの道を歩きながら、以前にも、この道を歩いたことがあることを思い出した。 あれはいつの季節のことだったのだろうか思い出せない。桜の季節では無かったことは間違…

去年の桜・その4

私は走り続けた。悩む暇も落ち込む暇も無く。 盆正月GWも休日出勤を頼まれたら断ったことは無かったし平日に派遣で行っている会社の仕事が無ければホテルでのお運びや厨房の手伝いスーパーの試食品のマネキン、勿論バスガイドも添乗員も仕事がくれば全て受…

去年の桜・その3

故郷に帰る前は、複数の男と関係していた。 「女の不良品」「人間の不良品」であった私、男に貢いで借金を背負って働く私。可哀想な私。昔読んだ漫画の中に「同情という餌で男は釣れる」と台詞があった。初めての男の元から離れ、二番目の男からは思い出すだ…

去年の桜・その2

その男と出会ったのは19歳の時。22歳上で、文章を書く仕事をしている人だった。それからしばらくは、友達、、というのでは無いけれども、話が合う人というだけの存在だった。彼には皆の公認の婚約者が居て、私もその人に紹介された。疎遠になっていた時…

去年の桜・その1

小学校の時に、給食でホットドッグが出た。 何も無い田舎の子供達にとって、当時の給食は、普段食べられないものを食べることのできる楽しみな時間だった。いつもは、コッペパンだったけれども、その日のメニューはホットドッグで皆朝から心待ちにしていた。…