魑魅魍魎・太秦にて
東映太秦映画村には、オナニーマシーン田中君がいる。正面入り口の大手門を入ってすぐのところにいる忍者・田中君。
数年前に和歌山の小学生を修学旅行で連れてきた際に、1人の少年が、
「なあ! あれ! ちんちんこすってんねんな!」
と言い出したのだ。
それから映画村に仕事で行く度に、清純派バスガイド&エロライターは、彼を見つめ「今日も、田中くんはオナニーを頑張っている」と思い、励まされている。
そんな映画村ですが(映画村さんごめんなさい。そういう場所じゃないです)今まで何十回も仕事で来ているこの場所に、先週の土日、初めて入場料を払ってプライベートで行ってまいりました。お目当ては、夏恒例の妖怪まつり。妖怪グッズのお店が出たり、「お化け大学校」の特別講義があるので、行ってまいりました。
土曜日はこちらで、作家の宮部みゆき先生&京極夏彦先生のトークショーがありました。宮部みゆき先生、可愛いっ! 声キレイ! きゃぴきゃぴしててホントに可愛いっ! こんな可愛い人が、あんなシビアなミステリー小説とか書かれるのね・・・。
そしてこちらで宮部みゆき先生の「小暮写真館」と京極夏彦先生の「死ねばいいのに」のセットを購入したら貰えた団扇がこれ・・・・。
片面はほのぼのとした「小暮写真館」の表紙になっておりますが・・・・。
こ、この「死ねばいいのに」うちわは、使える。
今度から嫌いな人に会った時とか、不愉快なことを言われた時とかに、無言で笑顔でこの「死ねばいいのに」団扇をパタパタしようと思います。
バスの仕事で、運転手にムカついた時にも待機中にわざと見えるようにパタパタしてやる。
さあさ、皆さんご一緒に、
「死ねばいいのに」
トークショーの行われた中村座を出ると、外はもう夜の闇でした。映画村には何十回も行っているけれど、夜は初めてで、本当に「江戸の町」(京都だけど)という雰囲気で、少し不気味で、ちょっと切なくて、非日常気分に浸れて良かった。
そんな町並みの中を、百鬼夜行が訪れた。
写真ボケボケですいません。
夜の映画村は、本当にこの世じゃないみたいでした。
そしてこの世じゃない場所が妙に居心地がいい。
出来るなら、1人で佇みたいと思ってしまった。
そして翌日はお昼から太秦へ。
太秦に行く時は、いつも西院か四条大宮から嵐電に乗ります。路面電車で景色を眺めながら、「蚕ノ社」「帷子の辻」などの物語ある場所を通り、西へ。
この日は、「蚕ノ社」で降りて、その蚕ノ社がある木嶋神社へ。
この太秦という地は、「太い秦」と書きますが、平安京以前にこの地にいた豪族・秦氏ゆかりの地域です。聖徳太子とも結びついていた秦氏は朝鮮半島より養蚕技術を日本に持ってきたとも言われ、鴨川の治水工事をして、現在の場所に持ってきたのも秦氏だと言われています。
そしてこの木嶋神社には大変珍しいものがあります。それが、この三柱鳥居。
普通の鳥居は足が二本ですが、この鳥居は三本で上から頂点を結ぶと三角形になります。
蚕ノ社を後にして、再び映画村へ。
この日もお化け大学の講義がありましたが、妖怪グッズ&本などが売られている物販コーナーでは荒俣宏先生、京極夏彦先生、水木しげる先生の娘の水木えつこさんなどがいらっしゃって直接本の手売もされていました。昨夜も今日も、京極先生のサービス精神と仕切りに感心していろいろ考えさせられました。
午後、せっかくなので映画村を散策してると怪談社・紙舞氏と遭遇。夜は着流しで美声で女性ファンを脅え濡れさせ神秘的な雰囲気をかもし出す紙舞氏も、昼間会うと普通の気のいい兄ちゃんである。暑いし。
5月に初の書籍も出版した怪談社のイベントが今月29日に新大阪にてあります。詳しくはこちらをクリックしてね。夏の終わりに、男前怪談師コンビ・紗那氏&紙舞氏の導かれる闇の世界へ、どうぞ。って、私残念ながらこの日は別件で行けないんだけど・・・。
紙舞氏と喋っていると、今度は映画監督・山田誠二氏と遭遇。歌手の古屋美和さんもご一緒。古屋さんとは初対面なのでご挨拶を。
山田誠二監督と京極夏彦先生は恐るべき付き合いの長さであり、山田監督作品の音響・編集・ナレーションなどを京極先生が担当されており、音楽の担当が古屋さんなのだ。
ふと思ったが、このメンバーこそ妖怪以上の魑魅魍魎ではないか・・・??? 怪談社と山田監督に京極先生・・・。
濃い・・・今日の映画村濃い・・・。
せっかくなので、1人、映画村をぶらぶらいたしました。何十回も来ているけれど、こんなにちゃんと歩いたのは久しぶりかも。普段は生徒達がうろうろしているから、乗務員室とかに籠って休憩してるし。こうしてちゃんと見ると、おもしろいところだ。
大手門のところにいる、田中君に会いにいく。
昨夜、夜は田中君が「仕事」をしていないことが、新たな発見だった。そら、田中君も一日じゅう、せんずりしてらんないわな。
本日は、炎天下を田中君はせんずり中。お仕事、ごくろうさまです。ちなみに、何故彼が田中君なのか。同僚があれは田中君だと言っていたのですが、確認はしていないです。
田中君、次に君に会うのは秋の修学旅行の仕事になると思うけれど、君がこうして毎日衆人環視の中でせんずりして頑張ってるのを見ると、私も励まされるよ。辛いことも多いだろうけれど、頑張れオナニーマシーン田中くん!
そんなわけで、田中君に励まされながら、非常に濃い2日間を終えた清純派バスガイドでした。
あやしの街に、あやしい人たちが集う、夏。
精霊と人が、なにげなくあたりまえに共存している街。
都には、まだ、百鬼が巣食うているのです。