せめてお前だけは私に優しくいておくれ
春の観光シーズン(殆ど修学旅行)も落ち着きました・・・そのくせブログ書いてませんが、正直いろいろあってテンション落ちております。
今年に入ってから遭遇したある出来事でだいぶ心のバランスが狂ったことと、それに伴う人間関係のいろいろ。あと、つい先日、仕事そのものというより、仕事関係(バスガイドの方の)で、そもそも私が悪いとはいえ、運が悪いとしか言いようがない事件が起こり・・・何故そういうことになったかというと自分の傲慢さと調子乗り過ぎが招いた出来事で、じゃあどうして傲慢で調子乗りなのかというと全て自信の無さから来たことで・・・と、こう書いても、幼稚な言い訳にしか過ぎないし、でもその幼稚さと弱さに自己嫌悪を繰り返したりしておりました。とはいえ、その出来事は、「早く業界から足を洗え」という神様からの愛ある叱咤激励かもしれないとも思うようにしています。
それでも自分が悪いので自分を責めるしかなくて、更に人に責められたしましたが、抱きしめてくれる腕も泣かせてくれる胸もなく、1人で泣いたりするしかないが、1人で泣く場所も時間も無い時などもあるわけです。
とはいえ、限られた時間、鬱々としているわけにもいかず、せなあかんこともアホほどあるんで、時間が自由に使えるようになったんだから有効活用せな。
と、いうわけで、人と会ったり、京都を歩いたりしております。
21日は東寺の弘法市に行ってまいりました。連れは、新大阪にてリラクゼーションサロン「チャーミング堂」を経営する女優・亥戸碧。この春の疲れも先日、チャーミング堂で癒していただきました。女性限定ですが、新メニュー・よもぎ蒸しなどもありますし近辺にお住まいの方は是非一度どうぞ。低価格、安心のお店です。
平日ですし、もう終わりかけだったので、人はそんなに多くは無かったです。
¥300の麻のチャイナ風ジャケットや、¥800の着物(着付けできないのに)、¥250のネックレスなどを購入。東寺弘法市や北野天満宮の天神市に行くと、¥500〜古い着物や帯などが山積みになって売られております。
¥250のネックレスというのは、1つなら¥300で、2つで¥500だから複数買ったのねん。
その後、四条烏丸の着物&和小物激安のお店(お店の名前がどうしても思い出せない)で、難ありで¥500となっていた和の日傘を碧ちゃんとお揃いで購入。
そして小学校の建物を利用した「京都芸術センター」(小学校なんで二宮金次郎像とかある)内にある前田珈琲明倫店にてお茶。ここも元々は小学校の教室なのだ。
その後は二条商店街の世界各国の雑貨を集めた店に行ったり、昔私がバイトしていた炉端焼きのお店に行って楽しく過ごす。この日は一日、ホント楽しくて、いかにここのところストレス抱えていたか思い知った。
先日24日は、四条で用事があるので、早めに出て阪急電車を烏丸駅で降り、錦市場へ。最近の錦名物・チョコレートコロッケ等を眺めつつ(食べたことはない)歩き、そのまま新京極の骨董品&喫茶店「WRIGHT商会」へ。このお店の店主の名は「金太郎」。さあ金太郎、ご挨拶なさい! ニャー!
今はなき、エルマガジンの表紙にもなったこともある人気猫なのですが、何故かこの日は私の膝に飛び乗り、そこにでんと居座り離れないのです。
自慢じゃないが私は動物苦手で、犬に吼えられ、猫に目を逸らされ、猿に襲われたこともあるし、相性が悪い。道ゆく犬や猫を「可愛い〜」と追ったこともない。私も苦手だが、向こうも私を嫌うんだよ!
なのに何故かこの日は、金太郎が私の膝から離れない。
次第に金太郎の重みと温もりが心地よくなっていく。
い、いかん・・「獣は敵」というポリシーに反する・・・
可愛いなんて思っちゃダメだーー!
とか思いつつ、自分も金太郎を撫でて妙に安心している。
私を好いてくれんのは、今はお前だけだよ・・・
い、いかん・・・そんなことを思うてはいかん・・・
寝るなよ。動けないやん。
とか言いつつまったりと過ごしてしまいました。珈琲も美味しいし。名残惜しいが金太郎を床に降ろし、新京極ぶらぶら。この辺りは、昔働いていたところなのでなじみ深い。
その後、今度は木屋町四条の喫茶店「ソワレ」へ。喫茶店好きだねぇ。うん、喫茶店好きなの。ここはブルーの照明、そしてBGMが無い。店内は東郷青児の絵が飾られている。ここは無くなって欲しくない場所。
その後、仕事で京都に来られていた大阪南森町の208主催者の岩淵さんと、祇園の山口大亭東店で飲む。その後、円山公園→知恩院三門→祇園巽橋付近→木屋町土佐藩邸・立誠小学校付近→近江屋跡(坂本龍馬・中岡慎太郎遭難の地)などをウンチク垂れながら連れまわす。
ここんとこしばし仕事に追われていたので、久々に京都を人と一緒に歩いて、京都っていいなぁと再認識しました。
昔、付き合っていた人が仕事で大変なことに遭遇した時に、その人は大阪に住んでいた人だったんだけど、京都で会おうということになった。
疲れてるだろうし、大阪まで行くよと私が言ったら彼は、
「京都で会いたい。京都は時間の流れが違うから、今は京都に行きたい」
と、言った。
彼はかなり憔悴している様子で、その時は木屋町の「フランソワ」という喫茶店に入り、殆ど2人とも話しをせず、ただ、そこにいただけだった。
ただ、その場で時間を過ごして、お互い帰っていった。
彼とは、もう2度と会えないのだが、その時の「京都は時間の流れが違うから」という言葉だけは、今もたまに思い出す。時間の流れが違うというか、時間が止まっているようなのだ。
特に、京都の路地裏は、異世界だ。つげ義春の漫画や、高橋留美子の「うる星やつら」にたまに出てきたような、この世のものではない空間。
私は、わざと、時折、そういう路地裏に迷い込む。
そういえば、私が昔バイトしてた炉端焼のお店も、「WRIGHT商会」も、山口大亭東店も路地裏にあり、すごくわかりにくいと、よく言われる。
時がとまったそういう場所は、優しい。私に優しい。だから好き。
抱きしめてくれる腕も、泣かせてくれる胸もないから、せめてその場所だけは、私に優しいままでいておくれ。