禅寺の龍
そろそろ今年も「551の蓬莱」でバレンタイン限定ハート型豚饅が売られる季節がやってまいりました。この時期に京都のデパ地下を歩くと、老舗の和菓子屋が工夫を凝らした美しい和のバレンタイン商品が並んでおり目の保養になります。とは言え、やはり誰かにあげるという目的が無いとなかなか足を踏み入れないもんです。昔は付き合う相手が「アンチ行事」みたいな人ばっかだったので、敢えて自分もそういうところに手を出さず関心無いフリをしていたのですが、今は日常の中でそういう「ヤマ」があるのは多いにいいことだと思う。だって単純に楽しい。と、やっと思えるようになった頃にはその「ヤマ」を分かち合う相手がいなかったりするんだけど。
さて、今月も「DMM DVD」に、歴史エロコラム「アダルトビデオ調教日記」書かせていただいております。
そして「イイトコドリ」のコーナーでAVのレビュー書かせていただいているんですが・・・・
んが。
んが。
プレステージの『働くオンナ狩り「バスガイド編」』という作品ですけど・・・・・3人のバスガイドさん達がレイプされちゃうの。トイレで犯されたり、浣腸されたり、水責めされたりしちゃって、とっても可哀相なのっ!!
ワシ(現役バスガイド)にしか書けないレビューですわ・・・
って、結構これ、私は楽しく見たんです。めちゃめちゃされますねん。車内レイプとか。
ウケたのが、「さっきバスの中でしてたみたいにここで案内しろよ!」とか犯されながら言われるところ。いやー酷いわーとか言いつつ喜んでた自分を、ちょっぴり鬼畜だと思いました。
田舎を出て京都に復活した時に、知人に「バスガイドと、社長秘書みたいなことしてる」と言ったら、「男の憧れの職業二大制覇だね!」と言われて、へーって思ったんです。
私もウケるために過剰なぐらい「バスガイドでーす」とか言ってるんだが、現実は色気もへったくれもない職業です、マジに。なんせ朝早いし気を使うし覚えなアカンことが多すぎる。京都に来て最初の観光シーズンは疲労と運転手や同僚のことで(それは私が出来てなさ過ぎたからなんだけど)本気に鬱になりました。来る日も来る日も4時とか3時起きとかが続き、ほとんど行ったことが無い所だと事前に勉強もせなあかんし、そら色気出しとる暇もクソも無いですわ。ちゅうか、仕事に色気はいらねぇ。いや、ワシがそうなだけか。
さて、土曜日は仕事を終えてから、京都花園・妙心寺に行ってまいりました。冬や夏のシーズンオフにも商売上手な京都(ちょっと皮肉入ってる)はしっかりと見所を用意してくれております。この時期は、「京都 冬の旅」と言って、普段未公開の施設が特別公開されているんですね。実はこれが毎年楽しみです。特別公開のラインナップが発表される度に、「ようし今年はここへ行くべ」と選ぶのもまた楽し。
今年は臨済宗妙心寺派の大本山・妙心寺の三門内部の公開に行ってまいりました。なんとこういう形での公開は23年ぶりだとか。毎年1日だけは公開しているらしいんですけどね。現在の三門は徳川家康により1599年、慶長4年に建てられたものとか。関ケ原の戦いの1年前ですね。
三門内部は、そら見事でした。観音様を囲む十六羅漢と、天井、壁、柱などあらゆる面に描かれた天女などの絵の色彩が鮮やかで足を踏み入れた瞬間、極楽浄土を六感で感じ、なんと美しい世界なんだろうと呆然とします。
そして、妙心寺と言えば、こちらは通年拝観出来るのですが、法堂の天井に描かれた狩野探幽の龍の絵。禅宗の法堂には龍の絵が描かれているのですが、こちらのサイト是非ご覧下さい。
実物は大迫力です。去年の冬の旅では相国寺のを見ました。建仁寺のも凄いわー。
龍の躍動感が怖い。怖いけれども目を逸らせません。こんなスペクタルでダイナミックな世界が京都のあちこちの寺で見ることが出来るのです。
また妙心寺には、明智光秀の菩提を弔うために作られた「明智風呂」などもあり、通年拝観できます。
私はやっぱり京都が好きで、嫌なとこたくさんあるけれど好きで、何らかの形で、この街の「いいところ」をいろんな人と共有できたらいいと思う。その方法は、まだ手探りだけど。
とりあえず、京都に来てください。
知れば知るほど好きになる。
嫌なところや、どうにもならないことも知ってしまい、やるせなくなることあるけれど、好きになる。
そういう感情を、恋というらしい。