京都に棲む日日

hankinren2009-01-25




24日(どようびーん)


 前日の天気予報では雪でしたが、幸いふることも無く、寒いけれども晴れた週末、久々に京都の繁華街へと参りました。目指す先は京都・木屋町の元・立誠小学校です。今は廃校となっているこのレトロな建物は昭和の始めに作られたものです。
 京都の古い小学校にこうした豪奢な建築が多いのは、明治維新後に天皇が江戸に行ってしまった後の京都という街の動きにおける特殊な小学校の成り立ちとも関係するのですが、その話をすると永くなるのでまた機会があれば。
 今はもう廃校になった元・立誠小学校は、ある歴史的な場所でもあります。明治30年、映画発祥の地でもあり、後に「日本のハリウッド」とも言われるこの地で、初めて映画が上映されたのがこの元・立誠小学校の敷地内です。

 さてさて。その元・立誠小学校で現在開催されております情熱劇場で、作家&ライターであります菅野秀晃氏(*写真)が自らの経験を元に「作家になるための哲学」というテーマで講演をされるので駆けつけましたの。

 昔、この界隈で働いていたので元・立誠小学校の周辺は何度もうろうろしておりましたが、中に入るのは初めてでちょっと嬉しかったです。廃校の教室をそのまま利用した会場には、大きな黒板と木の机と椅子が並んでおります。古き物の美が確信的に存在するのが京都の良きところかな。
 そして講演ですが、キレイ事の作家論ではなく、自らの経験から物を書いて食っていくことのリアリティを語って下さり、それが明るい未来に結びついている希望が伝わってくる非常にわかりやすく(←重要)楽しいお話でした。

 物書きを目指す云々に限らず、どんな仕事をするにせよ、これからの時代は「食う」ことだけで大変なことだと思います。けれども生き抜くことは、何かの仕事をして食っていくことは、決して悲愴感の漂う頑張りなどは必要無いし、自分や他人を痛めつけることでもなく、だけど先日書いた吉田松陰の教えの如く「動く」ことだと思いました。雷電、風雨の如く。どんな仕事をするにしても、人は食っていかねばなりません。その「動く」ノウハウの元となる部分は同じだと思います。
 
 講演は、後3回ありますので、京都、滋賀、大阪など周辺に御住いの皆様、この木屋町の廃校の雰囲気も味わい深いのでよろしければお越しください。ちなみにここからちょいと北に行くと大村益次郎受難の碑があり、西に行くと坂本龍馬中岡慎太郎が亡くなった近江屋のあった場所には碑があります。大村益次郎受難の碑より更に北へ行った京都ホテルオークラは元は長州藩邸があった場所で、今は桂小五郎木戸孝允)像があります。他にも周辺には森鴎外高瀬舟」の題材になった高瀬舟ですとか歴史的な見物の多い場所でもありますので、そぞろ歩きにもお勧めです。洋画家・東郷青児の絵が飾られブルーの照明が素晴らしい喫茶・ソワレなどもあります。

 
 後日の講演予定は、

☆1月31日(土)15時〜
「ヒット作を生む方法」


☆2月3日(火)15時〜
「京都の歴史ミステリー」


☆2月6日(金)15時〜
メソポタミア神話の秘密を解き明かす」


 です。尚、1月31日(土)、2月3日(火)の講演は、「新耳袋」などの著作でお馴染みの作家・中山市朗氏とのセッションになりますので、皆様是非お越しください。
 と、言いつつ、私は仕事やら所用やらで行けないんですが・・・「京都の歴史ミステリー」などは興味ある内容なので非常に残念。

 講演が終わった所で、アシスタントとして同行していた猪名山門士君と菅野さんと3人で、ワシが学生時代バイトしていた居酒屋へ参りました。ここでバイトしてたのって、もう15年以上前で、しかも1年も居なかったのに、未だにごくたまに出入りしております。店もメニューも店長も全然変わんねぇし。大正時代の酒蔵を改造したお店で、とにかく料理が美味いのです。
 そこで、古都・京都に相応しい絶対にここには書けない世にも上品なトークを3人で繰り広げておりました。

 上品なバスガイドのワシが、猪名山門士君に、



「AVを見ないんなら、何をオカズにせんずりしとるんやぁ?」


 とか、

「誰のやったら(男のナニ)くわえられるんやぁ? なんぼ積まれたら、くわえられるんやぁ?」

 とか、

バクシーシ山下代々木忠を知らんなんて、アカンでぇっ!!」



 とか言っていじめたりして。


 えへへ。
 こんなの序の口。

 というわけで、「オナニーをしないヤツは人として駄目」「もっとAVを見よう」という結論に達した所で、京都を後にしました。


 京都の廃校を利用した施設としては、他にも明倫小学校があります。こちらは今は京都芸術センターとなっておりまして、ここでも様々なイベントなどが開催され、資料室で様々な京都の情報に触れることもできます。こちらにある「前田珈琲」が好きなので、軽く飯食うたり、珈琲飲んだりに私もたまに参ります。


25日(にちようびーん)


 今日は、北野天満宮で開催される天神さんに行ってまいりました。北野天満宮の祭神・菅原道真の誕生日に毎月開催される市が「天神さん」なのですが、1月の天神さんは「初天神」と呼ばれています。なかなか休みが合わなくて行けないのですが、好きな市です。
 ワシの今回の天神さんのお目当ては「着物」やっ! 以前から天神さんに行く度に古い着物が安くで売られているのを見ていいなぁと思いつつも、「私なんか絶対似合わないし」「着付け習い行く時間もお金もないし」と手を出さないようにしていたのですが、去年、千円ショップで着物と帯を見た時に、何かが吹っ切れまして、「興味あるんなら手を出さな損やっ!」と全く着付けできねぇのに買ってしまいました。千円やし。もともと洋服には興味が無くてブランドやら流行りやらさっぱりわからん人間なのですが、京都という所は着物来た人がやたらうようよ居るところでありまして、着物で歩いていても違和感が無い土地なので、いっそやってまえ! と。
 着物なんて金がかかるから一生自分とは縁が無いと昔は思っていたのですが・・・奥さんっ! この天神さんで売ってる着物の値段て、なんぼぐらいやと思わはりますか? そらピンきりやねんけど、300円からありまんねん! 古着なんで汚れがあるのもありますが、それにしても500円、1000円で可愛い着物や帯がぎょうさんありますねん。って、洋服に凝るより安上がりかも。他にも和装小物のお安いお店も出てましてん。

 今回は日曜日なので人手が多くゆっくり見られませんでしたが、天神さんは他にも掘り出し物のがある楽しい市です。ちなみに毎月21日には空海ゆかりの京都の東寺で「弘法さん」もやってます。
 北野天満宮は梅の名所でもあります。道真の愛した梅が、来月の天神さん辺りには花を咲かせると思います。
 
 せっかくなので、久々に近くにある「藤野」という豆腐屋さんのカフェ「TOFU CAFE FUJINO」にも行ってまいりました。豆腐のレアチーズと黒豆珈琲。ここのメニューは、何でも激美味。京都駅の伊勢丹の地下に売り場があるので、たまにひろうすやらお豆腐やら買います。カフェの近くにある藤野さんのお豆腐直売店で、「十富」(とうふ)と暖簾にかかれていたのが、いいなと思いました。

 たくさん、「富」があるっちゅうことで。豆腐はいいどすなぁ。

 昔、阿川佐和子さんがエッセイで、お見合いをして、いい感じだったんだけど、相手が豆腐が嫌いと聞いて「あんな美味しい者を嫌いな人とは一緒に住めない!」と思って断ったと書いておられて、なんかそういう感覚って、わかるなぁと思いました。