自分を殺さないために 後編


 大袈裟なタイトルつけすぎたかも・・・
 メケメケ美輪明宏様の本のタイトルみたい・・・そうでもないか・・・


 さて、前回の続きです。

 そんなわけで、わりと最近でもPMSで、ただでさえ悲観的で鬱々しがちな時に、外部から針で傷口を刺すかのような言葉を受けてしまって、「死にたい、生きていくのが辛い」という想いだけがぐるぐる廻って非常に苦しい時期があったのですが、それは「死にたい」と思いはじめたのではなくて、「死にたい自分」とか「人を殺したい自分」に気がついちゃったんですね。


 出典がはっきりしていなくて、今ネットで調べてもわかんなくて申し訳ないですが、中村うさぎのエッセイの中に、彼女が脳関係のお医者さんか学者さんかに聞いた興味深い話が載っておりました。(ほんとうろおぼえなんで細かなとこが間違ってたらごめんなさい)
 その先生曰く、遺伝子というのは図書館の本だとか。「人間の脳」の中には無限の本(遺伝子)があるらしく、その中で読まれる本(使われる遺伝子)よりも読まれない本(使われずに眠ったままの遺伝子)の方が遥かに多い。そして、その書庫の中から本を引っ張り出すキーワードは、「言葉」なんだと。
 よくある話ですけど、親が子供に言う言葉って、すごく影響力あるやないですか? 言った親の方は悪気も無くてすぐ忘れてるけど、言われた子供の方は一生覚えてて、対人関係や自身の子育てに影響してしまうことって。親に「お前は不細工だ」と言われた子供は、自分は不細工だと思い込んで、実は不細工じゃないのに、ずっとその「私は不細工」ということから抜け出せないとか。
 だから、「言葉」は危険なんだと。「人を殺せ」という言葉の指令が、図書館の中の「殺意」という遺伝子を引き出して、「あの人が何故?」みたいな人が実際に殺人を犯してしまうこともある、と。

 私にも思い当たることが幾つかあります。私の親戚に、男にだらしないというか、恋愛に依存し過ぎる人がいて、その人が若い頃に失恋で自殺未遂をして家が大騒動になったのだそうです。そのことでその人の兄弟の結婚にまで影響が出そうになったとか。その後もその人はそういう(当時としては)問題ある恋愛沙汰を起こしたりしていたそうなんですが、私は幼い頃より、自分の母親から、その人に顔や行動が似てると言われ続けたんですね。勿論褒め言葉じゃない。だから私はその親戚の人が大嫌いだった。今でも嫌い。そして「男にだらしないあの人に似ている」と言われ続けた私は、見事に男のことで家族に迷惑をかける女に成長した。勿論未だに私はその人と自分は「似てない」と思っているし、自分のだらしなさとは無関係だと思うけど、呪縛をかけられていたような思えることがあります。

 あと、これも何度も書いてる話ですが、私にサラ金で金を借りさせた22歳の初めての男、こいつは物書き(食っていけてなかったけど)なんですが、この人に卒業論文やら昔書いた脚本やらを見せた時に、鼻で笑われて「君には物を書く力は無いよ」と言われて、それから10年、文章らしきものを何も書けなかった。それまでは頼まれていろんなとこの脚本書きとかしてたんだけど、当時書いたものは全部捨ててしまったし、何かを書こうと思っても、恐怖感がこみ上げて書けなくなりました。

 それと、私はある時期に、病的な嘘吐きの人と関わってたことがあって、当たり前のように嘘を吐く人ってのは、要するに人を騙せると思っている人、つまり人を馬鹿にしているんですね。だって、騙せない人には嘘は吐きませんもん。「こいつはアホやから騙せる」と思うから、人は嘘を吐く。嘘にも種類はあるからいちがいには言えんけど。
 私は、自分がバカにされ続けたことに気付いて、それ以外にも相手が優越感を得る為に好意の名を借りた絶妙な攻撃をしかけていることに気付いたので、離れました。それで私はその人のことが決定的に大嫌いになった。そしてある時に、その件を知る人に、「あなた、本当はあの人を殺したいんでしょ?」って言われて、「違う」とは言えなかった。私は本当はその人を殺したいということに気付いたのかもしれない。ずっとその「あの人を殺したい」という言葉が未だに消えないから。その言葉に捕われてしまったんだと思います。

 とにかく誰だって、そんなふうに他人の言葉であれ、自分の言葉であれ「言葉」が、自分の中の「何か」を引っ張り出しちゃうことって心当たりがあるんじゃなかろうか。

 話を戻します。そして、私は今年入ってからの結構強烈な「自殺願望」というか「自分は死にたい人間」ということを第三者の言葉によって知ったのです。つーか、引き出されちゃった。(でも第三者にはこの時は、自覚的な悪気は無かった)それは謝罪とか、他の人に言葉などによって、(なんかその時、理由も言わずいろんな人に泣き言メールしました)一週間チョイで少し落ち着いたんですが、身体の傷は回復するけど、言葉で心に傷つけられた傷って、痛みはいつまでも残るわけですよ。実は未だに、痛い。その「死にたい」と唱えてた頃は、ブログも全く怖くて書けなかった。軽蔑されることと嘲笑されることが怖くて、書けなかった。
 そう、最初の男に「お前には書く力が無い」と言われて10年間「書く」ことを封印された時と同じ状態に陥っていました。口はパクパク動くけど、言葉が出てこない失語症状態も、同じことです。


 知人の女の子に、昔数年間同棲してた男に暴力を振るわれ続けた娘がいて、彼女は今はその男から逃げて別の男と暮らしているのだけれども、何年も前のことなのに未だに暴力男に殺される夢を見るし、人にアタマを撫でられると、「殴られるっ!!」と思って叫んでしまうのです。私も未だに、何かを書こうとすると(ブログは何とか書けるようになったけど)怒鳴られ嘲笑されバカにされた感触が浮かんで血の気がひいて恐怖に陥ることが時折あります。

 そういう恐怖感とかが特に思い起されるのも、大抵PMSの時。普段も思い出すことはあれど、そのことを「過去」として突き放せるんだけど、PMSで鬱々ととにかく何をしても暗い方向にしか考えがいかない時は、何かきっかけがあると本当にヤバいと思いました。

 私は今、自分の周りの状況は比較的落ち着いてはいるのですが、自分にはどうすることも出来ない「悲壮な状況」ってありますよね。単純な例としては肉親の死や病気、失恋、職を失うとか、そういう「不幸」と呼ばれる事柄。そんな状況に陥って、ただでさえ心が弱くて揺らいでいる時に、何らかの自分の傷口を抉る言葉に背を押されたら、衝動的に駅のホームに飛び降りることって、あるんじゃないかと思うのです。

 自殺する人は、特別弱い人でしょうか? 私はそうは思わないし、死にたいと思ったことが無い人の方がどうかと思ってます。だけど皆、必死で生きようとしているんですが、それでも人の心は弱いから、他人から見たら驚くようなきっかけで衝動的に死を選択してしまうことはあると思います。

 私はその2度目の鬱状態の後に、「自分も衝動的に死んでしまうことがあるかも」ということに気付いて恐怖に陥りました。PMSで、鬱々としている時に、外部から何らかの言葉や状況の変化で背中をポンと押されたら、、、多分、そのまま死んでしまうかも、と。実際にその一週間ほどの鬱状態の時は、「これからどうやって生きていけばいいのかわからない」と苦しみながら、死ぬ段取りつけてたから。死ねないのに死にたいと思うことが辛かった。今は私は死ねないのです、どんなに死にたくでも。
 
 だから、死を選択する要因って、一つじゃない。いろんなことが重なって、そしてその臨界点で、背を押す何かの存在が、人を高いピルの上から突き落とす。
 
 そんなこんなで怖いなぁ、「生理前のイライラ」どころじゃないと思って、人を鬱々とさせるベースでもある「PMS」を何とかせねばと思ったのでした。あと、ある重要な試験を受けた時に、ちょうどこのPMSの酷い時で集中力が全く無くて、途中で試験放棄したこともあります。PMSのせいだけじゃないんだろうけど、アタマが飛んで無茶苦茶だった。こ、国家試験やったのに・・・

 このホルモンによる「陰々鬱々」って、月経前症候群だけじゃないんですね。出産後にホルモンのバランスが崩れて自分じゃコントロールできない鬱状態が来る人もたくさん知っている。他人が話聞いたら、そんなの悩みでも苦しみでもないやん! ってな些細なことで、酷く落ち込むようです。
 私はこれで、1人友達失いましたね。子供が居る友達が、約束の時間とかにルーズで、(それは独身時代からだったけど)、私は何度もそれをされるからキレたんだけど、彼女の言い訳は「最近何をしても憂鬱」って。いや、アンタがルーズなのは昔からやんっ! 関係ないやんっ! って思ったけど、一応「何か悩みとかあるの?」と聞いてみると、「子供は可愛いし、夫は優しいし、特に無い」って・・・でも毎日憂鬱で泣いているんだと。ホルモンのせいで仕方無いんだろうなぁと思いつつも、自分のルーズさを棚に上げて「私って可哀想」(どこがやねん)の言い訳を訴える彼女にうんざりしてしまって、それから付き合わなくなりました。「あなたは独身で好きなことして羨ましい」とか言われるしねぇ。

 あと、更年期障害。うちの母も上司も、これです。(たまに当たられる)30代で更年期になる人も珍しくないそうですし、これもホルモンから来るイライラ鬱々の種類。更年期鬱になる人も多いです。
 結局、一生、女やっていく限りは、ホルモン付き合っていかなきゃいけないようです。

 とにかく普段は、「自殺したい」とか、滅多に今は思わないんですが、PMSの、自分で自分の感情が何から何までコントロールし難い時期は、何らかの「些細なきっかけ」で衝動的に自殺してしまうことも有りえないことはないと思ったのと、仕事が忙しくなると、やっぱりストレスも多くなるんです。PMSの時にストレスが重なると、多分また鬱が来る。去年の秋も、それが怖かったんです。幸いに仕事に少し慣れてきたせいか来なかったけれども。

 ほんで、私もボチボチ仕事忙しくなるし、今現在も体温が高くPMS状態で、すんげぇささいなことで激しく落ち込んでしまったりするので、婦人科に相談に行ったのでした。今までは、「どうせ期間限定の鬱だから、その間我慢してればいいかー」って思ってたんだけど、死んだらかなわんから。

 婦人科では、問診票に記入したですが、性交経験が有るか無いかのとことの、「有」に印を入れたのが、何となく嬉しかったりして(バカですね。最近は全然無いっちゅうねん)そして先生に、「今日はどうしたの?」と聞かれて、ストレートに「PMSを何とかしたいんです」と答えました。

 私の友達数人も同じことを言っているんですが、先生もやはりPMSにはピルが一番いい、と。私は煙草も吸ってないから服用しても問題が無いと。
 ピルって決まった時間に飲まないといけないと聞いていたので、不規則な仕事をしているからそれが出来ないかもと心配していたのですが、多少の時間の幅は持って貰っていいと聞いて安心しました。避妊目的の人は、また違うかも知れないけど。
 あと、プラセンタ注射という手もあるそうです。これは直接PMSに効くというわけじゃないそうですが、お肌やらカラダにはいいとのこと。

 先生は、「抗鬱剤は僕はお勧めしません」とおっしゃいました。抗鬱剤でPMSによる気分の落ち込みを治すのは、本来の治療じゃないし、それに鬱気分を麻痺させるけれども、他の感情も麻痺させてしまい、眠くなるから、個人的に好きじゃないんです、と。

 ただ、ピルを飲む場合は、生理の初日から飲み始めてホルモンのバランスをコントロール(この言い方が正しいかどうかわかんないけど)するもんなんで、今現在の私のPMSは、どうすることも出来ないと言われたのです。

 私は、今現在のPMSによる鬱状態を何とかしたかったので、暫定的な処置ということで、抗鬱剤を処方して貰いました。
 ピルのことを勉強して下さい、僕はとにかくピルを勧めますと、先生からピルに関する小冊子を何冊か頂いて帰りました。ちなみに診察料は、千円ちょっと。安い・・婦人科なんて幾らとられるか見当つかなかったので、銀行でお金おろしてドキドキしながら来たのに・・・

 と、いうわけで暫定的な処置として、抗鬱剤を昨夜から飲んでおりますのです。
 抗鬱剤は、16年ほど前の学生時代に一度飲んだことがあるけど、なんだか全然状態はかわんなかったような記憶があります。その時も別に深刻にどうのこうのって事態でもなかったし。今日の朝も飲んでみたのですが・・・眠い・・・集中力が無い・・・ボーっとする・・・これが抗鬱剤の効果なんでしょうか・・・午後からちょいとマシになったけど・・・(今現在)
 とりあえず、仕事中には飲めんなぁと思いました。業務に影響が出そうだ、ボーっとして。
 2日ほど前より鬱々イライラは治まったような気は確かにするのですが、これは抗鬱剤の効果なのか、それとも単にPMS期が終わりに近づいているのか、あるいはこうやって文章を書いて冷静に客観的に自分の心の状態を整理することによって精神的に楽になってるのか、よくわかりません。


 でも、月曜日にピル貰いに行こうと思います。
 私しゃやっぱり、あのPMS期に何らかの外部要因が加えられたことによる酷い鬱状態が怖いです。またそういう状態に陥って、衝動的に死を選んでしまいそうな可能性が無いと言えないことが怖いです。
 女性の万引が、その時期に多いという話をどこかで聞いたことがあります。統計とったわけじゃないんですが、車の事故や、殺人も、無関係ではないような気がします。だって、普段ならコントロールできる感情が、制御不能になることがあるんですもん。あとになって冷静に考えればありえないような悲観的な発想して落ち込んだりとか。そして周りの人にあたって取り返しのつかないことをしてしまったりとか。自殺もだけど、もし私が実際に人を殺すとしたら、PMSの時期だろうなーと、物騒なことも考えます。


 勿論、個人差があります。PMSが全く無い人もいます。めちゃめちゃひどくて、会社に行けない、学校休むとかの人もいるらしいです。私の知人も、変則的な仕事だから出来ることだけど、この時期は仕事を数日休むという人もいます。

 ただ、私もこの言葉を知ったのは、本当に最近で、それを何とかせねばと真剣に考え始めたのも今年に入って一週間ほどの短期間だけどキツイ鬱状態を経験してからです。婦人科の敷居は高いと思ってたし。そもそも妊娠とか不妊症治療や生理不順以外で、産婦人科(たいがいどこも産科と婦人科一緒やしね)に足を踏み入れるという発想も無かったです。

 私の場合は、真剣にそういう「女のカラダ」話を出来る年上の女友達が居たのも良かったと思う。彼女達が口を揃えて言うのは、「自分のカラダなんだから、自分が大切にするしかない」ということです。そして、見事なぐらいにカラダと心は繋がっていると思い知らされたのが、この「PMS」なんです。カラダの変化で心の不調が生じてますからね。
 だから、カラダの為にも心は大事にしないといけないから、「心にも栄養を」と思うし、心のためにカラダも大切にしないといけないなぁっちゅうことですか。

 PMSで悲観的になって落ち込みまくる時って、自己嫌悪になるけど、本当は自己嫌悪にならんでもええのよね。だって、自分のせいじゃないんだもん。あたしは悪くないもーんっ!

 
 だから、今日明日は抗鬱剤でボーっとしときますが(抗鬱剤服用する機会もあんまりないんで、その状態を堪能しようと思います)、近々ピルを飲み始めると思うんで、次のPMS期がどうなるか、ちょいと楽しみです。個人差あるらしいし、副作用も無いことはないらしいから、ほんまどうなるんかわからんけど。
 

 と、長々と、たかが「婦人科に行きました」という話を連ねましたが、女性の方は、いったいどれぐらいの方が「PMS」を認識しているのだろうかなと不思議に思ったから自分の体験を書いてみたのです。私も認識しだしたのは最近だから、「生理前のイライラ」程度にとらえて、それでいて「自分をコントロールできなくて人に迷惑かける」とかしてる人もいるんやないかな、とも思いましたし。
 
 でも、「衝動的に自殺する」「無意識に万引する」「ついカッとなって人を殺してしまう」「つい子供に暴力を振るって当たってしまう」「夫が浮気をしているという妄想で苦しい」「夫や自分の親を罵倒する」「ムシャクシャするのでパチンコにハマって負けまくった」とか、そういうことと、無関係ではないと思います。


 男の人には、生理的にわからない話だと思うけど(わかられても困る)、そういう「PMS」という状態が、自分の彼女や奥さんや娘や職場の女性達にもあるということを知って欲しいと思います。知ったからって、「君、今日イライラしててPMSだね」とか言わんでいいけど、「単なるヒステリー」とか「これだから女は感情的なんだ」とか、そう切り捨ててしまわずに・・・


 私は専門的な知識とかは無いし、自分自身もこれから知っていこうと思う段階なんですが、いろんなPMSのサイトも検索したらあるみたいです。

 「死なないために」とかエライ大袈裟なタイトルつけましたけど、しょうもない死に方したないしねぇ。どうせいつかは死ぬんだけど、PMSで死にたくない・・・


 人間の心は、結構ヤワだからねぇ。
 大事にせんとアカンと思うわ、自分の心も、人の心も。
 言葉で人を殺すことも出来るけれども、救うことも出来るから。










* えーっと、このPMSについての日記なんですが、mixiでも公開しておりまして、異性同性問わず、PMSについてのコメントが興味深くて私自身も参考になりましたんで、期間限定で、こっちのブログのコメント欄も開放しようかと思います。
 もともとコメント欄を無くしたのは、「僕をかまってちゃん」とか返事のしようがないエロコメントとかの対処がめんどくさくなったからです。
 期間限定なんで、コメント欄は、また消します。ほんで、喧嘩を売ろうとしたり、うぜぇ書き込みとか、読む人が不愉快になる書き込みは容赦無く消します。
 あと、真面目にコメントくださる方にも、私しゃ、そろそろ仕事が忙しくなりそうなんで、レスはしない可能性がありますので、ご了承下さい。



 っとか言うて、全然コメント無かったら、私が偽名で書き込んでやる・・・
 いや、無ければ別にいいんやけど、mixiのコメント欄見てたら、やっぱりこういうホルモンの不調って、皆ちゃんと考えるべきことやなーと思ったもんで。