あじさいのうた

hankinren2008-06-14



 春の観光シーズン(っていうか修学旅行シーズンね)をバタバタとこなしていくうちに、気がつけば高速道路沿いの紫陽花を観ながらお客さんに、「紫陽花の花言葉は、浮気モノって言うんですよー」などとマイク持って言う季節になってました。以前、運転手さんに、「お前のことじゃっ!!」ってツッこまれたことがありました。こういう掛け合いしてくれる運転手さん好きです。
 私が「藤原紀香と同じ年なので、紀香ちゃんと呼んで下さい」とお客さんに挨拶した時に、すかさず「どこがやねんっ!!」とツッこんでくれる運転手さんとか・・・

 しかしですね、6月1日からの道路交通法改正により、原則高速道路ではバスガイドも着席でシートベルト着用が義務つけられて(この辺曖昧でバス会社により対応違うけど)こういうお客さんとのコミュニケーションもやりにくくなりました。前向いて着席して冗談とか言えへんもん。「今日のお客さんは、みのもんたの言う『お嬢さん』ばかりですね!」とか。「今日のお客様は危険な魅力のお嬢さん方ばかりでございます。その為にわたくし『危険物取扱者』の資格を所有しておりますのでご安心を」(マジにこれを言いたいがために取得しました)とか。

 きゃー! 着席案内で仕事が楽しくないー!(本音)

 しかし、走行中の湯茶、コーヒーのサービスが出来なくなったことは良いことかも。走行中の車内で熱湯扱うのは以前から怖いなぁと思ってました。慰安旅行や町内会の旅行で、走行中にお客さんがお酒を注いでまわるのとかも、正直危なっかしくて怖かった。あと、子供はやっぱり車内を動き回るけど、あれも危ない。親や先生が注意しないと、ガイドがマイク持って何度も注意しないといけなくて、それでも動き回られるともう疲れてしまうし、声が怒ってしまうのも嫌だった。


 そんな感じでここんところ、わさわさと忙しくしておりました。バスガイド業と社長秘所業兼任だからなかなか休めなくて。部屋が本当に汚いです。台所に黒い何かが蠢いてます。きゃー。明日久々に一日完全オフだー。わーい。どこかお寺行こうーっと。って、その前に掃除せなアカンって。

 この一ヶ月の出来事あれこれですが(仕事しかしてないから仕事の話しかないけど)、三重県伊賀上野で「忍者ソフトクリーム」っての発見しました。普通のソフトクリームに手裏剣型のクッキー(?)が刺さってるだけやけど。名阪上野ドライブインってとこで売ってました。食うてへんけど。
 忍者グッズなどもいろいろとありました。伊賀の名物に堅焼きせんべいってのがあるんやけど、もともと忍者の携帯食やったらしいです。木槌で割って、口の中で舐めて溶かして食べるんです。

 伊賀や甲賀で忍者の話をする時に、敬愛する山田風太郎様の忍法帖シリーズについて熱く語ってみたいけど、忍法帖シリーズは「奇想天外エロ」なのでお仕事では喋れないのが残念至極。

 先日はすんげぇ久々に名古屋ドームに行きました。私はお仕事なので球場内には入れませんでしたが、久々なのでついグッズショップに寄ったりうろちょろしておりました。グッズショップではドラゴンズだけやなくて各球団(大リーグ含む)グッズがあっておもしろかったです。ついつい阪神金本選手の2000本安打記念Tシャツとか買ってしまいそうになったけど、それはわざわざ名古屋で買わんでも大阪の阪神百貨店にあるっちゅうねん。

 「竜」の字が入ったドラゴンズトートバックがお値段もお手頃でカッコよかったです。あと、「夜のバットは絶好調」清原選手の「だんじりストラップ」を購入してしまいました。(写真参照わかりにくいけど)野球と全然関係あらへんけど・・・
 PL学園時代の清原&桑田ってのは、私らが中学生の頃本当に凄かったのよ。まさに夢を与える存在やったのよ。

 それと中日ドラゴンズ2007年日本一記念の手拭。ドラゴンズファンやないんやけど、なんか「日本一」ってのが縁起良さそうやから。

 バスガイド制服で(仕事やから)うろうろしてたら、もの凄く久々にナンパ(?)されました。ドラゴンズファンのおっちゃん集団に、「姉ちゃん! どっから来たんやっ!」って。私も暇やったんで、コテコテの名古屋弁のおっちゃん達の野外宴会の臨時コンパニオン(?)になっていろいろ話して、なんや名古屋弁にまみれるのがめっちゃ面白かったです。
 名古屋で何食ったのか聞かれて、「昼飯は、きしめん味噌カツと、ういろうでした」言うたら、手羽先を食ってないということでエライ攻められました。お客さんと同じモンやったから自分で昼飯選ばれへんのやもん・・・

 おっちゃん達曰く、名古屋名物ういろうは餅以上に喉につまるので、だから名古屋には年寄りがおらんと・・・・ホンマかいなっ! と、思わずツッこんでしまいました。最後、全員と握手して(ちょいと嬉しい)お別れ。私はヤングメンには激しくモテないんやけど、甲子園のダフ屋のおっちゃんとか、こういう層にはモテるのよ・・・いや、モテではないか・・・・庶民的で、ヘラヘラ笑いながら歩いてる(よく人に言われる)から声をかけやすいのでしょう。

 あと、三重県の田舎のドライブインの片隅で、いろんなモノを屋外で売ってるお店があって、レジの隣に百円均一で古いAVが・・・じっくり見たかったけど、仕事中で同僚も運転手さんもお客さんも居たのでそ知らぬフリをしましたの。でも、こういう田舎のドライブインの片隅に「エロ」が置いてあるって、なんだかいい光景やなぁと思いました。癒しエロというか、田舎のおとーさん達が疲れた身体と心を癒すエロっちゅう感じがして。エロってのは、人の心をホっとさせる、安心させる、緊張を緩和させるって効果もあると思うけどね、少なくとも私にとっては。だから無くてはならないモノだしね。

 とか言ってたら昨夜、女友達からメールが。彼氏が引っ越すので、古いAV50本要らないか? と。欲しい! って即答しちまったけど、DVDではなく、ホンマにビデオテープらしいので、部屋がますます「お嫁にいけない」ことになりそうです。
 観光シーズン前に、バス車内で流すビデオやDVD何かないかなーって見てたんやけど、ほとんどAVで、見事に観光バス車内で流せるようなモノが無かった・・・
 ちなみに女友達に、彼氏に私のことをどういうふうに言うてんの? って聞いたら、

「AV好きのバイセクシャルや言うてます!」

 って・・・・だから、AVくれるとかそんな話になるのか・・・・


 秋葉原の17人殺傷事件が起こった日、私は身障者施設の旅行の案内をしていました。そこには犯人と同じぐらいの年齢の若い女性のボランティアの方も何人か来られてました。
 ボランティアであろうが、お金を貰う「仕事」であろうが、結局のところ、自分以外の誰かのために何かをしないことには「自分の居場所」なんて永遠に見つからないのではないだろうか。自分探しとか、自分の居場所が無いとか言うけれど、自分以外の誰かのために何かをして喜ばれることでしか、存在する意味や生きる喜びを得ることは出来ないのではないか。例えばそれは、何かを売ったり、モノを創って人を喜ばせることでもいい。そうやって誰かと繋がらないと、絶望しか見えない絶対的な孤独地獄に嵌まるしかないんじゃないでしょうか。

 ああいう事件のニュースで「犯人の気持ちがわからない」と言うコメントを聞く度に、「ホントにそうなの?」といつも違和感を覚えます。絶望と孤独で発狂しそうになって、世界と心中したいと思ったことは何度もあります。生まれてきたことを、世界を、この世に存在する全てのものを呪い、殺して、自分も死にたいと思ったことは、何度も。
 生きていくことは苦しいことで地獄だから、世界を滅亡させるほどの威力を持った爆弾を誰かが落としてくれないだろうかと願ったことは何度もあります。
 だけど絶望の闇の中にも一すじの金色の蜘蛛の糸がゆらゆらと存在し、だから私は心中も自殺もしなかった。
 その金色の蜘蛛の糸を探り、握り締めながら、何とか生き抜いている。細い、細い糸で、何度も切れそうになるけれど、その蜘蛛の糸で誰かと繋がることで、とりあえずまだ生き延びている。

 自分さえ、世界の扉を閉じて鍵をかけないで居たら、世界と心中などしない筈なのに。だけどああいう事件の度に、「世界と心中」したかもしれない私、これからするかもしれない私を観るようで重い物が込み上げてくる。だから誰かの手を握って離さないようにして世界と繋がっていなければ。

 お釈迦様には、たくさんの「普通の人とは違う」特徴があります。
 手が長いこと、多くの人を救う為に。
 お釈迦様の手には水掻きがある(今度仏像見る時に観察して下さい)出来るだけ多くの衆生を救う為に。あと、全ての人の上に公平であるように偏平足であるとか、いろんな特徴があるんやけど、全て「人を救う」為の特徴なのです。お釈迦様の身体のすべては「人を救う」為に存在しています。

 目を瞑り自分以外の物を見ようとせず、耳を塞ぎ他者の声を聞かず、そんなふうに自分で自分の世界を閉じてしまわない限り、救いの手は見えるのだと思うだけれども。お釈迦様の手でなくても、自分じゃない誰かの救いの手が。


 あと、工場での派遣労働のことも原因の一旦とされてますけど、私も田舎に居た時に工場で派遣で働いていてので、その頃のことを思い出しました。
 工場の仕事もいろいろあるんやけど、管理や技術が特に必要とされない単純労働は、学歴や職歴も必要じゃないから採用はされ易い。続けることはまた別の話やけど。でも、それは幾らでもあなたの代わりはいるよと言われてるようなもので、実際に企業はコスト削減の為に正社員をリストラして派遣社員を増やし、さらに人件費を削減するために派遣社員を減らしアジア系の労働者を増やし続けています。
 私が働いてたとこは世界中に工場があったので、次第に日本にあった部署が海外に移されて、どんどん工場の中がガランとしていき、次々に派遣労働者も「契約終了」になった。クビを切りやすくする為に契約を2ケ月単位とかの短期間にするのです。

 私は学歴も資格も若さも何の技術も無かったけれど、お金が必要だったので、家を出る為の資金を作る為に工場で働いていて、いつか家を出るんだと、そういう目標の為にがむしゃらに働いていたし、同じように生活の為に(学歴職歴不問やから若くして結婚して離婚したシングルマザーとか多かったんです)必死で働く人達と仲良くそれなりに楽しくやっていましたけど、不安は常に皆が抱えていました。同じ派遣で働く男の子の中には、あの事件の犯人のように遠くの方から寮住まいをしている若い人もたくさん居ました。
 いつも業績不振や海外進出で、どこの部署が無くなるとか、今度は何人リストラされるとかいう噂が飛び交い、実際に他の工場に移ったり、「契約終了」される人もたくさんいました。何年そこで働いても給料は変わらないし、退職金やボーナスも無いし、仕事は単調で機械的で、契約更新の時期が来る度に不安になります。だけどやっぱり会社が残したいのは、「仕事の出来る人」で、要領の悪い人、融通の利かない人から「契約終了」。

 本当は今の時代、正社員だろうが公務員だろうが本当に安定している仕事なんて無いのだけれども、あの工場での常に不安が漂う空気のことが久しぶりに浮かびました。不安の波に漂いながらも仕事するしかなかった日々を。

 日雇い派遣の職を原則的に禁止するとかいう案も出てるみたいですね。銭の為に、レギュラーの仕事の合間に日雇い派遣でいろいろ仕事してた身としては複雑。日雇い派遣でしか働けない事情の人もたくさんいるから。実は今も日雇い派遣会社に登録はしてるのですよ。バスガイドは、季節労働者で食っていくのが難しい職業となりつつあるから。幸い私は社長秘所業があるから日雇い派遣行かずに済んでるけどさ。

 そんなこんなの日々ですが、今日の午前中も東北の地震の件で対応に追われてバタバタとしておりました。東北からこっちに旅行来てはるお客さんとかおられるので大変やったみたい。

 うちの実家が数年前災害にあった時、嫁ぎ先から被害の少ない実家に妹が子供連れて避難してました。その時に貰いものの「松茸御飯の素」があったから、その日の晩飯は松茸御飯やったんやけど、妹が「こんな時に、松茸御飯なんか食っててええんやろうかって、罪悪感感じてしまう」と言うてた。だけど結局「生活」をするしか出来ない。阪神淡路大震災の時に感じたもどかしさが蘇っても。
 去年の秋、東北のある街の旅行で三日間一緒に居たお客さん達はどうしているだろうか。あとで、わざわざダンボール一箱の柿を送ってくれた。空港で別れる時には、千昌夫の「星影のワルツ」を歌ってくれて、街の民芸品をプレゼントしてくれたあの人達は。



 あちこちで目に優しい紫陽花が綺麗に咲いています。原由子の「あじさいのうた」http://jp.youtube.com/watch?v=kuOtnRBdMIkは、とても好きな歌です。優しい歌詞と原由子の「少女の声」が耳に心地良い。花咲く旅路http://jp.youtube.com/watch?v=3kCvzlijKSsも優しい唄です。
 月に照らされた旅路をゆっくりと歩いていきたい。この「花咲く旅路」の映像の中に出てくるお寺って、奈良の長谷寺かな? って思ったんですけど、どうなんでしょう。長谷寺もいいなぁ。


 お寺に行きたい。時間の止まった穏やかな異界で涼んで夏を待ちたい。それにしても「紫陽花」って、誰が考えたか知らんけど、綺麗な当て字ですよね。「向日葵」もやけど。






* コメント欄ですが、期間限定ということなので、再び閉じます。
  コメントくださったかたありがとうございます。PMSについてはまた後日書きます。