おばけ!

hankinren2008-02-04



 前回からの京都の節分シリーズの続きです。しかし、「懸想文」って綺麗な言葉やね。


 須賀神社から北へぶうらぶうらと歩きました。この辺りは学生向けアパートやら学割がある床屋をよく見かけます。何故ならこの近くに京都大学があるからです。
 京都という街は非常に学生が多いんですが、その中でも1番有名と言っていいのかな、京都大学は。この京大の前の道を進んでいくと鳥居があります。そこが[http://www.geocities.jp/kyoto_yosidajinjya/:title=吉田神社]節分祭で賑わっており、参道に屋台がたくさん出ておりました。


 「徒然草」の吉田兼好も元はこの吉田神社の神官の一族です。そしてこの吉田神社があるのが吉田山、神楽岡とも言います。
 参道行くすがら、時折「」がおりました。鬼が「ウォー!」と声をあげるので、泣いてる子供がちらほら。吉田神社の本宮前では、巫女さんが神楽を舞っておりました。そしてここで初めて観たんです! 「おばけ」を。

 「おばけ」というのはですね、節分に普段と違った格好をして災難をもたらす厄や鬼を追い払ってしまおうという「コスプレ」です。今では主に花街に残っている風習です。そして上の写真がこの「おばけ」です。舞妓さんが芸妓さんかわからなんけど、南蛮人やらのコスプレをされております。
 ちなみに舞妓さんは、年齢が15〜19歳までなんですね。それ以上は芸妓さんです。あと身長も高すぎてはいけないんです。だいたい155cm以下と言われております。ですから、吉田神社で見た「おばけ」さん達も皆同じような身長でした。

 京都で舞妓さんに遭遇しても、だいたい観光客のコスプレの「なんちゃって舞妓」だったりすることが多いんで思いがけず舞妓さんの「おばけ」と遭遇して感激いたしました。いやーめちゃめちゃ可愛かったですよー。その辺の着物姿のネェちゃん達とは雰囲気が違うなぁ。着物姿のネェちゃん達も好きですけど。


 そう言えば、昔、祇園の本屋さんで2人連れの舞妓さんがファッション誌を立ち読みしている姿を見て驚いたことがあります。なんか新鮮でした。でも年頃の女の子やからそら洋服にも興味あるよなぁ。

 吉田神社の本宮、大元宮を参拝して、そのまま山頂へ登っていきました。神社にお参りする時は、二礼ニ拍一礼が正式な参拝スタイルです。吉田山には京都大学の前身である旧制第三高等学校の寮があり、山頂には寮歌「逍遥の歌」の歌碑がある筈ですが、、しばし山頂を探したのですが見つからず残念。

 そして山頂からは、来た道を帰らず山道を降りて今出川通りに出ました。この辺りは京大があるから古本屋や安い飯屋が多いです。久々に進々堂という老舗喫茶店に行きたかったんですが、人が多くてやめました。このすぐ近くにある知恩寺の手作り市がある時に、また行こうっと。

 久々にこの「学生街」界隈を歩いて楽しかったです。私は大学入りたての時に一ヶ月ちょいだけこの京都大学のサークルに入っていたことがありまして、週一、二度通っていたんですね。(自分自身は京大生ちゃいますよ)その後も学祭に来たり、その他用事で何回か京都大学の構内、その周辺のお店辺りには足を運んでおりました。


 ちなみに私がおった大学は、京大との結びつきが強くて、周りも京大のサークルに入って彼氏が京大生って娘も多かったんです。ほんで昔オカンに、「私が京大生と結婚したらどうするー?」と冗談で聞いたことがあります。その時のうちのオカンの答えが・・・


「やめとき! 子供生まれてアホやったら、アンタのせいにされるでっ!!」


 って・・・。な、納得、、、だから私は京大生とお付き合いも結婚もしませんでした・・・って、嘘ですよ。縁が無かったし非常にモテなかっただけです。京大生に関わらず他のヤングメン達とも全く御縁は無かったけど・・

 
 でもね、久々に学生街を歩いて、思ったこと。
 私は学生時代、田舎モン&女の不良品コンプレックスの塊で、学校の勉強にも全然ついていけず(結局卒業できひんかったし)なーんもええことが無くって、陰々鬱々としていたし、あの頃に戻りたいとは決して思わないんやけど、でも京都で学生時代を過ごせて良かったなぁ、と。今、学生やなくても学生街を歩くのは楽しい。

 京都ってとこは、本当に四季を楽しめるところです。こうやって冬の歳時を巡ると、冬が好きになる。うんざりするような混みまくりシーズンに来るよりも、こーいうオフシーズンこそ「京都の四季」つまりは「日本の四季」を味わえるのであります。

 今は「京の冬の旅」で普段非公開の寺院の特別公開もやってるから、日本一の知恩院の三門とか行かなくっちゃだわっ。3月には「東山花灯路」で、清水寺北政所ゆかりの高台寺親鸞が出家した青蓮院などの夜間拝観なども実施されます。夜の闇とは「死の世界」であり、私達生者が死の世界と、そこに灯る「生」の明りを垣間見ることが出来るのが夜間拝観だそうです。単純に綺麗すよ、夜のお寺と東山の石畳の道は。


 如月には北野天満宮を始め様々なところで梅の花が楽しめます。東風ふかば匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ。(by 菅原道真

 「松竹梅」ってのは、唐の国(中国)から伝わる「歳寒の三友」なんですって。寒さ厳しい冬でも緑をたたえる松、しなやかな笹竹、紅白の蕾が春をいざなう梅。この「三友」が、つい寒さに負けてしまいそうなこの季節に、人の心に明かりを灯していた「友」だそうな。


 冬は冬で遊ぼうぞ。春をいざなう都の花ぞ、いとおかし