恋人


 しおりんと飲んだ! 

 先日、京都に所要で来られていた作家の松崎詩織さんと夫と3人で飲みました。作家としては向こうの方が大先輩なのですが、私の方が年上なので「しおりん」と呼んでいます。私は今まで何度かしおりんとは顔を合わせているのですが、夫は初対面。
 うちの夫は職業柄、本はたくさん持っているし読むのに、驚くほど小説を読まない人です。初めて彼の家に行ったとき、本の多さに驚く以上に、それだけ本がたくさんあるのに小説がほとんどないことにビックリした。
 そしてそんな小説を読まない夫が、スポーツ新聞の切り抜きの小説を大事そうにファイルして保存していることに、更に驚いたのです。その小説の作者こそ、松崎詩織さん。うちの夫は私と知り合う前、松崎さんの小説を読むためにスポーツ新聞を購入し、松崎さんの小説を切り取って何度も……何かをしていたそうです。その小説に登場する眼鏡をかけたOLが、モロに夫の好みのツボだったらしい。
 私がそれを知り合ったのは、しおりんと出会ったあとの話。そんなこんなで、一度ゆっくり3人で飲みましょうよという話が実現しました。
 憧れのしおりんと対面した夫は、インタビューのように、いろいろ聞いておりました。夫が切り抜いていた小説の裏話なども。
 しおりんは、知的で、凛として美しく、一軒クールそうに見えるけれど、ものすごく熱いものを秘めている女性です。彼女自身も魅力的な人なのだけれども、彼女の小説が私は大好きで、一気に全部読んでしまいました。

 しおりんの小説は、とても切ない。時には読むのが辛くなってしまうほどです。
 「くちづけ」という話も大好きなのだけれども、好きなのに再読できないままでいる小説が「恋人」です。夫が切り抜いていたスポーツ新聞の連載を加筆してまとめたもの。
 ごくごく、どこにでもあるようなサラリーマンとOLの恋物語。サラリーマンには妻がいて、OLには結婚を決めた恋人がいて……けれどふたりは恋に落ちてしまう。それは本当に、きっとこの世の中に星の数ほどありふれている恋愛に過ぎない。けれど、その瞬きは正視できぬほど熱く悲しい。
 しおりんと会うからと、私はこの小説を再読しようとしたけれど、できませんでした。普段、必死で閉じている心の蓋をこじあけられそうになったから、つらくて読めなかった。
 心の底から好きだけれども、叶わない――そんな恋をしたことがある人なら、きっと覚えのある、幸福も悲しみも切なさもやり切れなさも、身を引き裂かれるような別れの辛さも、ここに描かれています。究極の恋愛小説、おすすめです。

 

恋人 (幻冬舎アウトロー文庫)

恋人 (幻冬舎アウトロー文庫)

 


 松崎詩織HP⇒http://www.love-complex.tv/


 
 正尚堂さん

 知人からすすめられて、最近足を踏み入れはじめたお店が京都市左京区の「正尚堂」さんというアンティークショップ&カフェです。
 たくさんの着物と、様々な「和」の古いものが店内に並べられています。そしてここではお茶&お菓子もいただけて、ついつい長居してしまいそうなほど落ち着く。着物の着付けも教えてくれるみたい。
 私の本が店内に飾っていただいてます。友達に「花祀り、この店に合うよねー」と言われた。京都はこういう怪しい店が、まだまだあるんだなぁ。怪しい店だなと思ったら、片隅に京極夏彦先生の本があって、それが私の本とは比べ物にならんほどハマっておった。やっぱ怪しい……。

 正尚堂さんHP⇒http://www.seisyodo.jp/




 中村さんの本が売れている


 前回の記事で紹介しました、中村淳彦さんの「職業としてのAV女優」がめちゃくちゃ売れているらしいです。
 確かに内容はとてもいいんだけど、それ以上に神様に愛されているとしか思えない売れっぷり……。
 そんな中村さんと、今月19日に夫のUST番組に出ます。詳細は後日。カフェでやるので、直接観に来ていただくこともできます。場所は大阪本町です。
「人前に出るのが苦手」な中村さんなので、どんなかんじになるやら。
 ちなみにうちの夫婦が知り合うきっかけとなったのは中村さんのブログなのですよ。中村さんが私のブログをリンクして、それで私のことを知った夫と、ツイッターでやりとりするようになって、結婚までいきました。しかしうちの夫は中村さんの面識がないので、この日が初対面になります。
「職業としてのAV女優」ホントにおススメです。

 

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)