官能、絵とことば

 3月20日より、こんな展示会&イベントがあります。

 オメガアルゲア×文芸誌「悦」共催

 言葉と絵が内包する官能
〜官能小説家×イラストレーター〜


期間:2012/03/20〜2012/04/01
場所:オメガアルゲア
〒164-0001
東京都中野区中野5-1-15 スターツ天神B1F
JR中央線、JR総武線地下鉄東西線中野駅」より徒歩7分

http://omega-swiez.co.jp/algea-blog/

3月23日(金)20時開演…官能小説朗読イベント(出演:やまおきあや)
1500円1ドリンク

3月30日(金)20時開演…第二回団鬼六賞受賞者トークイベント
(出演:うかみ綾乃【大賞受賞】、沢里祐二【優秀作受賞】、松村由貴【悦・編集長】
1800円1ドリンク


【企画趣旨】
官能小説の挿絵や装画といえば、写実的で肉感的、汁のしたたるような女性の絵を連想されます。しかし近年の官能小説の装丁は必ずしもその限りではなくなってきました。
直接的なイメージではなく、その表情に、その指先に、エロスの深淵を感じられる作品。その中身もカストリ雑誌やポルノ小説から団鬼六が文学の1ジャンルとして発展・昇華させ、そこから女性が内包する性を描いた物も派性しつつあります。
本展示では、「季刊―悦―」、「悦の森文庫」で使われた装画の一部を展示し、官能小説と絵の出逢いを展開します。これまでのイメージを払拭し、官能の新たな可能性を感じてください。

展示作品(官能作家×イラストレーター)

花房観音×いしいのりえ「花祀り」
藍川 京×いしいのりえ「白い帯」
瀬井 隆×稲村トシゾー「悦楽園」
蛭田亜紗子×魚住幸平「ふるえる口蓋」
岡部えつ×川上ちえこ「アカヘビ」
橘 真児×川上ちえこ「隣のつぼみ」
柚木郁人×妃 耶八「美少女地獄」
睦月影郎×岸並千珠子「二度目の蜜」
睦月影郎×岸並千珠子「淫惑の美少女」
橘 真児×sioux「小悪魔セラピー」
蛭田亜紗子×sioux「花に呼ばれて、彼女は」
霧原一輝×高橋撰功「同窓生の娘」
藍川 京×田宮 彩「黒い館」
深志 美由紀×松原健治「花鳥籠」
松崎詩織×宮川雄一「向日葵の歌」
末廣 圭×渡邉康明「ふたたびの初恋」
(敬称略)


 というわけで官能文芸誌「悦」主宰による、ことばと絵の官能ギャラリーに私の作品も取り扱っていただいております。イラストは、官能ライターとしても活躍中のいしいのりえさんhttp://www12.plala.or.jp/norie/です。
 いしいさんのイラストは、おそらく本屋に足を運ぶ人ならば見たことない人はいないんじゃないかな。それぐらい、売れっ子のイラストレーターです。多分、絵を見たら「あ、この絵か」と気づかれる方も多いはずです。
 私が最初にいしいさんの絵を意識したのは、おそらく神戸で以前開催されていた新開地映画祭のポスターのイラストでした。いしいさんのイラストは、やわらかい「線」で、日本女性の美しさとたおやかさ、艶めかしさを表現されています。同じく「線」で日本女性の美を描いた人といえば竹久夢二がいます。いしいさんの絵を見ると、夢二と共演して欲しいなと願うのです。いしいさんが夢二の絵を描くと、どうなるんだろう、とか。「黒船」とか描いて欲しいな。
 私は他にも上村松園美人画が好きで、松園が現代に生きて、官能小説の表紙を描いていたならば、さぞかし匂い立つような色香漂う絵を描いていただろうと思う。

「花祀り」の表紙は、いしいさんによって描かれた「花」ですが、とても気に入っています。処女作の単行本が、装丁もイラストも予想以上に満足できるもので、それはとても幸せなことです。自分の本なんだけど、手にとるごとに、美しい本だと見惚れてしまう。

 あと、23日にはメンズナウのインタビューにも登場してくださった女優のやまおきあやさんの朗読と、30日には第2回の団鬼六賞受賞者によるトークショーもあります。第2回大賞受賞の、うかみ綾乃さんは既に数冊本を出されて今、大変活躍されている作家さんです。うかみさんの小説は、一貫して「逃れられないもの」に捕らわれる人達の物語だと思います。そしてまさに「性」こそが、我々にとって悲しいほどに「逃れられないもの」なのです。

 官能小説など手に取ったことがない方々も、是非この機会に「ことば」に触れてください。
 睦月影郎先生、そして官能の世界で「日本の美」を描く藍川京先生(ご本人も本当に素敵な方です)、小説を全く読まないうちの夫が大好きな(スポーツ新聞の連載小説をスクラップにして隠し持っていたことが発覚)女流官能作家の松崎詩織さんなどの「いやらしいことば」の世界にどうぞご来場ください。