新宿イベント、そして今週末公開
吹雪の滋賀県、岐阜県を抜け、東海道を下る(上京とは言いません。日本の中心は京都だから!)金玉夫人・・・のぞみ号の安いプランを利用して、更に雪で遅れて5時間近く新幹線に乗り、やってきました、東京に。
そうです、17日の夜、新宿ロフトプラスワンで行われたイベント、
「YOYOCHUでナイト!」映画『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』公開直前 スペシャルナイト〜あの代々忠が再び、ロフトプラスワンに降臨!〜
に、行ってまいりました。
なんせこの日は、「生ヨヨチュー」だけではなく、取り巻くゲストも超豪華! 一部は、石岡正人監督、愛染恭子さん、加藤鷹さん、市原克也隊長。二部は宮台真司さん。
平日にも関わらず身動きとれぬほどの大盛況でした。さすが、代々木監督。一部はustで配信されておりましたし、ツイッターで実況もされておりましたが、一部では、なんと急遽、この日に観客としていらっしゃっていた「性感Xテクニック」シリーズの主役・南智子さんが壇上に登られて、登場された瞬間、歓声があがりました。
南智子さん、相変わらずの美声、そして全然変わらず未だにお美しいです、また、南さんの発言は非常にわかりやすく無駄がなく、やはり「言葉の人」だなぁと感心しきりです。ちなみに南さんは現在、作家さんです。
そして、初めてお会いしたのですが、「日本のセックスシンボル」愛染恭子さん! 美しい! これぞ「女」と言わんばかりのサービス精神旺盛なトークを繰り広げておられました。ホントに愛染さん、素敵で見惚れました・・・。
2部の宮台真司さんのトークには、会場に来られていた藤本由香里さんも参戦され濃い話に。時間切れで残念。
そして、いよいよ、東京では今週土曜日から公開されます、映画「YOYOCHU SEXと代々木忠の世界」。
撮影期間3年、様々な人の証言で綴られる「代々木忠」。
是非是非、劇場に足をお運びください。
初日には、石岡正人監督と代々木忠監督の舞台挨拶もあります。
全国でも、順次公開されます。
「藩金蓮」も、スタッフとして参加させていただいております。海外で上映された時につけた字幕を書き起こしすという仕事をさせていただきました。(ドキュメンタリーなのでシナリオが無いので、テープ起こしのように台詞を書き出すのです)
一昨年の5月、それまで面識も交流も無かった石岡監督から、一通のメールをいただきました。この映画を撮影中の石岡監督がネットで検索をしていて、私がブログで代々木監督の「いんらんパフォーマンス 恋人」について書いた記事を読まれたのです。その記事をご覧になって、「一度、話をお会いして話をさせていただきたい」という内容のメールでした。これも本当に不思議なタイミングなのですが、本来ならばその時期はバスガイドの仕事が忙しい時期だったのですが、インフルエンザの大流行で軒並み仕事がキャンセルになり、私も時間があったのです。
そして石岡監督は京都精華大学の客員教授をされていて、一ヶ月に一度、京都に来られていて、たまたまメールをくださった翌々日に京都に来られるということで、会う約束をしました。いろんな偶然が重なり、お会いできたのです。
そして、直接お話しをして、この映画、そして代々木監督に対する熱い想いを聞きました。
「私は何をやっているんだろう。いつまでも逃げ場を作って中途半端な気持ちでいるんだろう。これではいけない。好きなことをやろう、やりたいことをやろう、私は何になりたいのだ――作家になりたいんじゃないのか」
その日、お話した後に自分に対する不甲斐なさが、込み上げてきました。不甲斐なさというか、これでは駄目だ、今のままでは駄目だ、という想いに掻き立てられました。
私は何になりたいのか。なりたいものに、なるために、本気にならないと駄目だ、と。
好きなことをするために、本気にならないと、と。
覚悟を決めろ、腹をくくれ、そして、行動しろ、と。
「作家」になるために。
一年半前の、あの日、自分の中の代々木忠という存在、そして石岡監督の「熱」が伝わり、私はいてもたってもいられなくなりました。
本気にならなくては、と。
そしてそれまでやっていた事務職を数ヵ月後に辞めて観光シーズンには変わらずバスに乗っていましたが、オフシーズンにはとにかく小説を書いて応募しようと思い、自分が書けそうなジャンルの新人文学賞をリストアップしてノートに締め切りや枚数等を書き込んで、応募したらそのリストに線を入れて消すということを始めました。
初めて応募したのはその秋で、これは短編だったんですが、一次選考のみの通過でした。それから春の観光シーズンを経て、4つの新人賞に応募しました。その中の一つが、今回受賞した団鬼六賞です。
官能小説を書くのは初めてだったのですが、「団鬼六」という存在も、私の中では大きな存在で、だからこの賞には絶対に応募しようと、自分なりの「官能」を書きました。
そして、これも不思議な符号なんですけれど、その発表があった9月18日の朝に、石岡監督から映画完成試写会のお知らせのメールがありました。代々木監督も、来られると。
その夜、団鬼六賞大賞受賞の連絡があり、私は「作家」の道が、開けました。
あの日、石岡監督と初めて会った日に、「腹をくくろう、本気でめざそう」と決意した、「作家」に。
私はずっと代々木監督に会うのが怖かったし、永遠に会えない人だと思っていました。その存在が大き過ぎて、怖くて会えないと。自分は会うに値する人間ではないと。
けれど、団鬼六賞大賞を受賞して、「これで、代々木監督に会える」と、思いました。
私が初めて見たビデオが代々木監督の「ザ・面接」で、あの衝撃が無ければ、その後AVを見ることもなかったでしょうし、ましてやAVに関して書く人に、ライターのようなことをすることはなかったでしょう。もともと私はライターになる気とかなく、AVのことを書いているうちに、雑誌でも書くようになって、それからちょこちょこと文章を書く仕事をいただくようにもなりました。けれど、自分の中ではライターとして何がやりたいのかとか、そういうものも無く、自分は「作家」になりたいと思いつつも、どこか逃げ場を作り過ごしていたのです。
そして、一年半前に石岡監督とお会いすることが無ければ、そのまま今もだらだらと「作家志望」と言いながら無為に過ごして焦りだけが大きくなっていたでしょう。
だから、この映画、そして代々木忠という存在が無ければ、私は「作家」への道へ踏み出せなかった。それは、確かです。
だからこそ、団鬼六賞大賞受賞作「花祀り」のヒロインの名前は、代々木監督作品に登場する「淫女隊」からいただいて「美乃」としました。受賞作は、もうすぐ本になります。
是非、劇場に足を運んで、一人の壮絶なAV監督の人生、そして「セックス」を観てください。
また、昨夜のイベントの司会を勤めておられて東良美季さんによる書籍も29日に発売されます。22日は劇場で先行販売され、その後も公開する劇場で販売できるそうです。
- 作者: 東良美季
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2011/01/26
- メディア: 単行本
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東良美季さんは、私を「物書き」にしてくれた人です。この人がAVについて書かれた文章が無ければ、私はその後、AVに惹かれ続けることも無かったし、ネットでこうして文章を書くこともなかった。
代々木忠という人を中心にして、いろんなことが動いている。そんな気がしてならないのです。