時の過ぎ行くままに


  昨日、以前から行きたかった出町柳「柳月堂」に行きました。

 まず、このシンポジウムに行ったんですね。京都造形大学内の、京都芸術劇場、春秋座で開催された「京都のくるわと芸能研究会京舞の井上八千代先生などが出演されて、非常に面白いかったです。いまさらながら、「日本」の文化が残されているのは、京都だなぁと。そして「廓」とは何か、というお話でした。

 大学中退で、学生時代も馴染めなくて、いい思い出がない私は、久しぶりにそういう場所に足を踏み入れて、ああいいなーと思ったりもして楽しかったんです。
 
 そして、帰りは叡山電鉄茶山駅から出町柳駅まで。そして出町柳で、柳月堂さんに行きました。どういう喫茶店なのかは上記のリンクを参照にしてください。私語厳禁の音楽喫茶。座席は全て前面のスピーカーの方を向いている。

 前回に、「WRIGHT商会」「ソワレ」のご紹介をしましたが、今回、あらためて京都の喫茶店文化をもっと知りたいと思いました。
 やっぱりオシャレで若者が集う「カフェ」より、クラシックで、年配の人が集う「喫茶店」の方が私は落ち着くみたいです。

 ところで、携帯電話の機種変更をしました。電源が勝手に落ちてしまうようになったことなどもあるんだけど、もっと写真を撮ろうと、思ったのが大きいきっかけです。
 最近は、仕事に行くときもデジカメ持参で、合間を見つけて(お客さん等の居ないところで)写真を撮ったりしています。

 もともと写真嫌いで、今まで殆ど撮ることもなかった。
 そして、自分という存在を早く消したくてたまらなかったので、二十代から三十代前半にかけて、私という人間の記録は全くに近いほど残っていません。早く消したかったし、消えるつもりでいたから。だから、子供も作らない、と思っていた。自分のような人間のクズの血を残してはいけないと本気で考えていたから。家族、友人を始め、自分と関わる人間は不幸で、関わらせてしまったことは申し訳ないから結婚なんてありえないことだと思っていたし。

 写真を撮ろうと思ったのは、昨年の、ある再会がきっかけです。「京都繁華街の映画看板」この本がきっかけで、旧知の方と再会したり、もう2度と見ることが出来ない京都の風景をこうして残されていること、そしてそれが人に与える感動を味わい、「残していかねば」という痛切に実感したからです。
 風景も、人も。




写真は上から、

平安神宮の枝垂桜
*もうすぐ閉店する四条河原町の阪急百貨店のエレベーターから見た景色
醍醐寺の桜