花まつり


 もう、4年も経ったのかと思う。

 4年前の今日、私はまだ田舎に住んでいた。サラ金の返済に追われて生活できなくなり仕事も失い、実家に戻り数年間を過ごし、その間、とにかく京都に帰りたいと必死で働いてお金をためて、そして4年前のこの日に、親に内緒で始発電車で今、世話になっている会社の面接に行き、そのまま京都に向かった。

 京都に向かう電車の中で泣いていた。

 そして円山公園から、霊山護国神社坂本龍馬の墓へ登り、そこから満開の桜が咲き誇る都を見下ろしていた。
 当時、私には遠くに好きな人がいて、故郷を出るエネルギーを与えてくれたのは、その人だった。その人と出会えなければ、もっと時間がかかったかもしれない。その人とは、もう2度と会えないけれど、あの時のその想いは、自分の中で、いつまでも、いつまでも、大切な、大事な、宝物のような想いだ。私だけの、大切な宝物。
 龍馬の墓から、その人にメールをして、泣いていた。ここに戻ってこれたと、嬉しくて泣いていた。その気持ちを、誰よりもその人に伝えたかった。


 家に帰宅して、思いのたけをmixiの日記に書いた。それをこちらのブログに転載したのが、この文章→「鳥辺山心中」http://d.hatena.ne.jp/hankinren/20070408#p1

 もう4年も経ったのか。
 
 先週末から、仕事で&プライベートで、あちこちの桜巡りをしている。
 どこもかしこも満開の桜。

 この桜を見る為に、私は京都に戻ってきたのだ。

 来年も、再来年も、ずっと春が巡る度に、あの4年前の東山の満開の桜を思い出すだろう。