何故に此処にいるわたくし

6月某日 花の寺にいるわたくし

 
 来年にはまた花をつけるのは知っているけれど、花の盛りは短いからと、花の寺、京都の宇治にある三室戸寺http://www.mimurotoji.com/に行ってまいりました。一定期間週末の夜だけ、紫陽花苑のライトアップがされるということで初めて夜に訪れました。三室戸寺というお寺は、本当に花が見事だということは知ってはいたけれど、花の盛りの頃に行ったことがなかったんですね。そして、夜の雨に濡れた紫陽花苑は予想以上に見事でした。紫陽花苑ではちょっとしたクラシックコンサートなども開かれており、和と陽の出来すぎたようなコラボが楽しく紫陽花の可愛らしさを彩っておりました。こちらはツツジと石楠花と蓮も有名なので、是非花の季節に一度どうぞ。
 


 


7月某日 こりん星にいるわたくし

 女友達の彼氏が引越しでモノを処分するのでAVを50本くれるという話は以前書きましたが、そのAVを親と同居している自宅に持ち込みたくないので、ずっと車のトランクに保管してくれてたのです。ところがですね、6月下旬に京都ではサミットG8外相会合が開かれまして、世界各国の要人を警護するために全国の警察官が集まってあちこちで検問などをしていたのです。特に京都って、御所をはじめ皇室関係の建造物とか国宝がボコボコあるから、こういう時の警備ってすんごいんですね。今回は知らんけど、以前ブッシュはんと小泉はんが京都御所で会談した時は、市内のコインロッカー全て使用禁止やったしね。
 
 そして友達も、その日の昼間、ホテルに車を止めて飯を食おうとしたところ、あやうく検問にひっかかりトランクを開けられそうになったそうです。ホテルの駐車場がいっぱいやから入れなくてなんとか逃れたそうですが・・・・彼女のトランクには、外観がわからないように封をした怪しげな荷物・・・


 「もうあんな想いをするのは嫌ですっ! お願いだから早く引き取ってくださいっ!」

 
 と、泣きそうな勢いで連絡が来まして、急遽彼女と会うことになりました。せっかく会うのだし、何か食おうかと2人で車を走らせて視界に入ったのが、「焼肉 小倉優子http://www.yakiniku-ogurayuko.com/menu_free.html・・・・

 別に2人とも、ゆうこりんファンではないのですが、話のネタにと店内に入りました。ゆうこりん色いっぱいの店内で、ゆうこりん座布団に座り、「カルビんこ」「ハラミちゃん」を食べるわたくし達。「ゆうこりんパフェ」もありました。
 「カルビ下さい」って店員さんに注文すると、「はい! カルビんこ一人前ですね!」と訂正されたりしましたよ。
 
 友達と2人で「キムチ食べりんこ」とか「明日から仕事頑張りんこ」とか言い合ってたら、そのうちにお互い馬鹿にし合っているような気分になってきました。「ごめりんこ」って、ワシラが言うと、小倉優子というより、吉本新喜劇のパチパチパンチ島木譲二やんっ!!

 単品頼むよりお得っぽいので(2人とも肉よりこの日は妙にキムチが食べたかったんです)食べ放題頼んだのですが、メニューが多くて良かったですよ。デザートも、韓国海苔とかサラダとか全部メニューに入ってて。

 お会計を済ませると、「焼肉小倉優子飴」を頂きました。
 HP見たら、関西にしかまだないんですね。なんでだろ、千葉の人なのに。

 キムチ臭くなったまま、50本のAVを2人で私の部屋に運び込みました。友達に、「ますます事故とか病気になれなくなりましたね」と言われました。
 ホント、段々部屋がエライことになりつつあります。

 そして、最後に彼女がこういうのです。

「このことを、ネタにしていいですか?」

 って。何よネタって? って聞くと、

「私の彼氏の要らないAV50本を喜んで引き受ける女友達が居るって、おもしろいネタやないですかっ! こんなおいしいネタは黙っておけません! 友達みんなに話しますよっ! ウケを狙います!」

 って・・・・

「別にいいですよ。どうぞネタにして下さい」って答えましたけど、そこまでおいしいネタかなぁって思うんですけどね。
 




7月某日 新宿にいるわたくし
 一昨日の夜のことです。
 何故か、左にAV監督兼男優の太賀麻郎様、右にハメ撮りAV監督・カンパニー松尾様、そして目の前に、AV監督・平野勝之様という面々に囲まれて飲んでも飲んでも酔えないわたくし・・・詳細は東良さんの日記http://jogjob.exblog.jp/9175415/で読んで下さい。他にもマイミクでライターのまっちゃん様と、AVライター東良美季様、AV監督の二村ヒトシ様がいらっしゃいましたけど、このお三方は初対面ではないし、最初から会うつもりでいたので動揺はしませんでしたが・・

 そんなこんなで、東京来てビックリよ。

 ひゃー

 きゃー


 思わず、「芸能人やっ!」と言うてしまいました。ほとんどテレビを見ないわたくしにとっては、テレビに出てる人(テレビに映ってるだけですけど)は芸能人ですよ。
 皆さん、実在の人物なんやーって思いました。私の気分は、実在が疑われている歴史上人物の古墳が発見されて、学会で「この人物は実在していた!」って発表された時の感動でした(よくわかんないすね)


 知る人ぞ知る(ってほどもない)話ですけど、私が今こうやってネット上で文章を書いてるのはどうしてかって話なんですが、私は20代ん時は初めての男に貢いでサラ金に手を出してロクでも無い生活を送っていたのです。
 そういう人生で一番しんどい時期(で、あって欲しい)に偶然出あった一本の作品が平野勝之監督の「由美香」です。すんごいツボですねん。もう何十回も見てるけど、未だに見る度に泣くという。「由美香」だけやなく他のもすんごいんやけど。そして借金させた男の次に私が関係したサディストで変態の既婚者(なんせうんこかけられたからね。数回しか関係してないのに。いきなりアナルやったし)が私にくれた数本のAVの中で、すんげぇ印象に残った作品が、カンパニー松尾監督の「熟れたボイン」です。

 しかし、私の周りの人は「AV」を知らないし、私も言えない。未だに本当に親しい数人の人にしかAVが好きだとか言えません。友達が私の知らない人達にネタにするぐらいは全然ええけどさ。やっぱり自分は少数派やし、エロが好きだと広言して、それを嫌な捉え方をする人も勿論おるしね。

 20代の、未来が見えない死にたいと題目のように唱え続けた頃に出あったその作品。けれども当時はPCなんて持ってないし、ネットなんて無いから情報もない。私はその2本のAVと、それを作った人のことを何も知らなかった。そんなある日、今でも覚えているけど、今は無き京都駅前の近鉄百貨店の中の本屋で手に偶然手にとった本が東良美季さんの「アダルトビデオジェネレーション」です。その本の中に、「平野勝之」「カンパニー松尾」インタビューがあったんですね。
 ホント、その頃は何も情報が無いわけで、偶然その本と出会ったのもすんごいんやけど、その本自体が面白くって、私が見た2本のビデオを作った人達の「物語」が、そこにあって。上手く言えねぇけど、すんげぇことやったわけです。

 それから、「ビデオメイトDX」http://www.coremagazine.co.jp/magazine/vmdx/index.htmlという雑誌に、その東良美季さんが記事を書かれてるのを見つけて、AVは見ないけど、東良さんの文章を読む為に購入し続けてたんですね。サラ金が発覚して京都を離れて実家に強制送還されて旅行会社で働いたり派遣で工場に勤めたりしてた時も、ずっと。ほんで、東良さんがネットでブログ始められて、「ビデオメイトDX」で、モロに平野監督や松尾監督の作品のことを書かれてて、私はちょうどその頃やっとこさ中古3万円のPCを手に入れてインターネットというものに触れたとこやったんです。そして、ファンメール(今読むと相当ネコ被って可愛こぶってるメール)送って、返事を頂いて、って、それが、今から3年ちょい前のこと。

 その後、別の知り合いのお誘いでmixiを初めまして、そこで東良さんともマイミクになって頂いて、日記のようなモノを書き始め、二村ヒトシ監督や市原克也監督達と知り合い、他にもいろんな方々と知り合いました。
 そしてそのうち私の日記は日記ではなくなっていくのです。自分の「恥ずかしい、人に言えない過去」を吐き出していくようになります。今はもう、吐き尽くしたとは思うけど、そのことで楽になりました。
 自分自身に私は枷をつけて閉じ込めていましたからね。文章を書くこと自体も昔は好きだった筈だけれど、初めての男に「君は文章を書く力がない」と言われて、それから10年間以上、mixiするまで、つまりは3年前まで何も書けなかった。

 太賀麻郎さんともmixiで知り合いました。勿論名前もお姿も裸も存じ上げてはいましたが、すごい男優さんだと意識したのは、中村淳彦さんの「恋愛できないカラダ」を見たからです。感動的なセックスですよ、この作品の太賀さんと春うららさんのセックスは。


 その夜、「なんで私はここにいるんだろう・・」とか思ったりもしたんですが、あとで、あー人生って、地獄も天国も含めておもしれぇもんだなぁ、これからもきっとまた地獄も天国もあるんやろうなぁとか。

 多分、自分の人生最悪の頃(多分、あれが最悪であって欲しい)、地獄の頃にそのAVと出会ったことも、その世界を描く東良さんの文章に出会ったことも、それは無関係なことじゃないんだろうなぁ、とか。いや、もっと地獄は多分あるだろう、なんたって、まだ30代後半やからさ。天国も地獄も、うんざりするほど、これから遭遇するんだろう、間違いなく。


 そういう最悪の20代があって、AVとの出会いや、いろんな人との出会いがあって、何よりも私の文章を読んでくれる人達がいて(誰も読んでないなら私は書かないよ)だから、今、ここにいるんやなぁ、とか。

 とりあえず、生きていこうと思いました。
 地獄でも、天国でも、息を出来る場所なら、どこでも。



 そういえば、今日は七夕ですね。