今日はオナニーの日!


 映画館で働いていた時の、お客さんの落し物で印象深いものアレコレ。(財布も携帯も、好奇心で中身を見るのではなく、落とし主の連絡先探す為に見るのです)

 いちじく浣腸4ダース、48個。落とし主が現れないので、そのまま事務所に置いておいたら、いつのまにか消えていた。誰か会社の人間がこっそり持ち帰ったと思われる。


 コンドームでパンパンになった女子大生の財布。学生証が入っていて、おとなしそうな女の娘が取りに来た。お金はほとんど入って無かったけれども。映画館だからいいけど、学内とかで落としたら、恥ずかしいって。


 近所の何軒かの風俗店、及び源氏名っぽい名前がメモリに入っている携帯電話。中年男性がとりにきました。


 オナニー手帳。予備校の学生証が入っていた。手帳に、「今日は、オナニーの日!」と、オナニーした日が記入してある。セックスした日付を手帳に記録する女の人ってのは、結構居ますけど、オナニー記録する男の人っているんですね。気の弱そうな男の子が取りにきました。

 バスの仕事では、生もの、使用済みパンツ(日帰り温泉ツアーの時に)、切花など、困った忘れ物はあったけれども、映画館のようにおもしろいモンはないです。オナニー手帳って、初めて見たよ。


 映画館って、お客さんも変な人たくさんいたし、従業員も変な人が次々に来るしおもしろかった。忙しい時は、めちゃめちゃ忙しいけど、暇な時はホント暇で能天気に遊んでたし。2つの映画館に勤めたが、始めに勤めたところは洋画専門で、次に勤めたところは日本映画専門だったけれど、その昔は洋モノのポルノ専門だったらしくて、倉庫には面白いモノがたくさんあった。30年前に刊行された、蛇とからむ女の人の写真集とか。
 みうらじゅんさん(京都出身)のエッセイ読むと、高校生の時にそこに何度か足を運んでおられたらしい。その2館の映画館はどちらも今は閉鎖されてシネコンばかりが増えている。シネコンはシステム化されてて、あんな能天気な雰囲気でお気楽には出来ないみたいだし。


 球場もそうだけど、汚くて古い、だからこそ誰でもフラっと気楽に入りやすい「映画館の匂い」のする場所が次々と消えていく。