元旦の平清盛

 あけましておめでとうございます。って、もう3日なんだけど。

 私は28日まで仕事しておりまして、なんやその後もバタバタと。だからと言って忘年会やら同窓会やらの予定も無く家族以外の人と会ったって言うのは純情少女Nちゃんぐらいでございました。Nちゃんとのデートの模様は改めて後日。

 元旦は午前中から六波羅蜜寺六道珍皇寺→八坂法観寺(外から見ただけやけど。所謂八坂の塔という五重塔です)→霊山護国神社→八坂神社→建仁寺と、初詣だか寺巡りだか何やわけわからんぐらい徘徊して午後から実家に帰りましたの。

 六波羅蜜寺http://www.rokuhara.or.jp/は去年もお参りしたのですね。元旦は大福茶ってお茶が呑めるの。で、なんでこの寺かと言いますと、お姉さんは、ここの平清盛像が好きなの。平清盛という人自体が好きでもあるのですが。
 でもここは平清盛様だけじゃなくって、空也上人像も地蔵菩薩像も閻魔大王像もいいの。社長秘所は仏像が好きなの。エロいから。
 で、この六波羅蜜寺の周辺で歩いて行けそうなとこを全部行こうとすると、上記のような寺社セレクトになりましたの。ホンマは比叡山とかも行きたかったんだけど、そこまで行ってたら時間がかかる。


 六道珍皇寺http://www.kadode.com/rokudoutinkouji.htmにも閻魔大王がいました。ついでに冥途に響くと言われてる鐘もついてきた。正月から地獄の閻魔さん巡りしてる私ですが、閻魔大王って、地蔵菩薩の化身だってご存知でした?地蔵菩薩というのは我々衆生に最も近いところにおられて手を差し伸べておられる慈悲深い仏様でして、その慈悲深い地蔵菩薩の化身が地獄で人を裁く閻魔大王っていうのは???って最初は思ったのですね。だって閻魔大王の形相って相当怒ってるし。
 で、そのことについて考えて見たのですが、もしかしたら「人を裁ける者というのは、我が身を捨てることのできるほどの慈悲深い人間でないと、その資格が無い」ということなのかしらって私は思ったのです。
 
 人間って傲慢だから(傲慢って卑屈とセットだと思うけど)ついつい人を裁いてしまいがちでしょ?自分の価値観で、自分の正義で、自分の中の善悪で。ついついそれをしてしまいがちなんだけど、逆にされたら嫌ですよね。私は嫌です。何もわかってない人に裁かれるのは。上から傲慢にも裁かれるのは。って言うか、他人は他人を裁いてはいけないと思う。

 だから閻魔大王地蔵菩薩の化身って言うのは、人の為に我が身を捨てる(地蔵菩薩には人の身代わりになったとか、そういうエピソードが多い)ことのできる人間でないと、人を裁いてはいけないという意味なのかなぁと勝手に解釈したのです。例えば、親ですね。親は(そうじゃない親もおるけど)子供の為に我が身を捨てることができるから、子供を裁く資格があるとか。いや、本当は、親も裁いちゃいけないんだけど、ただ親だから裁かれても仕方がないということはある。
 それは恋人同士でも友人関係でも同じことなのかもしれない。そこに覚悟を伴う濃密な愛情が存在するからこそ裁く権利があるのかもしれない。


 ほんで次は八坂法観寺http://www.hi-ho.ne.jp/kyoto/houkanji.html八坂の塔と言われてる五重塔です。中には入ってないんだけど、外からご参拝しました。実は私、昔ここで案内バイトした時に「探偵ナイトスクープ」に出ちゃったことがあるんだよ。桂小枝にマイク向けられたよ。


 少し歩いて霊山護国神社http://www.gokoku.or.jp/っていうか、この神社の中の坂本龍馬のお墓へ。眺めがいいから好きなんだ。ホンマは夕方がいいんだけどね、夕陽が綺麗だから。参道には龍馬ファン達からの熱いメッセージの書かれた石板が連なっておりますの。

 西原理恵子先生が「坂本龍馬の人気って言うのは、アレは龍馬じゃなくって司馬遼太郎が凄いんだよ」っておっしゃっておりましたけれども、それは私も同意で、この「現代」の坂本龍馬人気っていうのはひとえに司馬遼太郎の「龍馬が行く」人気だと思うのですね。周りにも龍馬ファンの男は多いなー。

 しかし坂本龍馬という人は非常に興味深い。西郷は傑出したカリスマだと思うし、高杉晋作は天才だと思う。しかし龍馬は、そういった「稀人」ではないと思うのです。実は(良い意味で)計算高く合理的で実利的で、理想はあるけど現実主義者で(この辺までは織田信長っぽい)、人が当たり前に持つ弱さや人の良さや情もあるけれども、自分自身と戦い続けている。 
 龍馬の発言などを読むと非常に人間臭い。良くも悪くも。あれだけ進歩的尚且つ傑出した知性を持っていたのなら、一歩間違えば信長のように傲岸不遜な「魔人」になりえたかもしれないけれども、そうならなかったのは、彼の「性格」ゆえんか。

 そして彼には帰る場所が無い故に視野も無限に広かった。西郷は薩摩藩を、高杉、桂小五郎長州藩を、勝海舟は幕府を背負い、そして遂には背負うモノに押しつぶされてしまった志士達も多いが、龍馬は土佐藩を捨てた人間であったからこそ、天を目指すしかなかったのではないか、、、、(ちょっとこの辺り、哀しい話でもあるんですけどね。龍馬ちゃんが脱藩したことにより、龍馬の姉は一人が自害、一人が離縁に追い込まれてたりして)


 とか、何とか龍馬ちゃんの墓で思いを馳せる社長秘所でございました。桂浜行きてー、長州行きてーとか思いつつ。愛しの高杉様の墓参りしてぇー。


 次に八坂神社。http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/ここはさすがに人が多い。京都では、ここか伏見稲荷平安神宮とかがメジャーな初詣スポットですからなぁ。しかし着物姿の若い娘が多くって目の保養になるね!後つけたくなるね!

 その後、祇園下がって、臨済宗総本山の建仁寺http://www.kenninji.jp/へ。京都というところは臨済宗のお寺が多いんですよ。室町幕府が帰依してたからですけど。所謂禅宗の庭園「枯山水」が発達したのもそのせいです。大徳寺南禅寺天龍寺東福寺、この辺も全部、臨済宗ですのん。開祖は栄西上人。お茶を日本に持って入った人はこの人だと言われてます。

 建仁寺では俵屋宗達の「風神雷神」とか天井いっぱいに描かれた「双龍図」とかあって見ごたえ十分。いやーお寺はいいよ!騙されたと思って京都のお寺来るべきですよ!最近つくずく思うのは、エロビデオ見ない人間と、京都のお寺見ない人間は人生損してるね!おもしろくないんって言う人は、見るモノを間違えてるだけやっちゅうに。あと、京都の場合は見る時期を間違えると二度と来るかって思うかもなぁ。

 そうして元旦の午後から実家に帰り(ちょっとは普通の娘らしいこともしないとね!親不孝大王だから!)今朝戻ってきましたの。明日から仕事だもんで。帰りの電車の中で宮尾登美子の「序の舞」読んでましたの。

 宮尾登美子の「序の舞」は京都出身の日本画家の上村松園http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/haka-topic10.htmlという女性をモデルにした物語なのです。上村松園の描く美人画は好きで、ただこの人に関しては未婚の母の女流画家ということぐらいしか知らなかったのですが、「序の舞」読みまして、う〜ん、なんかすげぇ人生の人やったんやなぁと思いました。男運悪いっちゅうか、向こう見ずっちゅうか、ブレーキが利かない人っちゅうか、身を削ってるっちゅうか、、、。ちなみに「序の舞」というのは上村松園の絵のタイトル。
 それはともかく明治の京都が味わえる本ではあります。結構明治時代の好きな私。

 
 奇妙なシンクロニシティが時折起こるものでございます。そういうわけで「序の舞」を読み終えた頃に京都駅に着いたのですよ。ほんで以前から行こうと思っておったのですが、今京都駅の伊勢丹で「富士と桜」展http://www.wjr-isetan.co.jp/Kyoto/index.htmやってまして見に行ったのです。社長秘所は桜が好きなの。エロティックだから。坂口安吾の「桜の森の満開の下」なんで、もうめちゃめちゃエロくないっすか?
 富士山の絵っちゅうのも、同じ素材の筈なのに、描く人によってこうも違うのか、おもしれーなーって思いながら見ていたのです。
 出口のところで、いろいろグッズを売ってたのですが、そこに上村松園の「序の舞」の掛け軸がっ!
 さっきまで「序の舞」読んでたとこやん!と思ってビックリしたのです。その「富士と桜」展には上村松園の作品は出されてないのに、どうして「序の舞」が、、、って思いましたの。そういう不思議なシンクロニシティって、ありませんか?


 そういえば先日ようやく平野勝之監督の「由美香」のDVDが届いて見ておりましたのね。で、特典の副音声聞いてて、そこでラストシーンの話でゴダールの「気狂いピエロ」の話が出てきて、あれ?って思いましたの。ちゅうのは、私が「調教日記」で由美香のこと書いた時にゴダールの「気狂いピエロ」のラストシーンのランボーの詩を引用してたから(偉そうに引用してますが、10年ぐらい前に一回見たっきりなんですよ、実は)。
 偶然なんだけど、不思議な感覚でしたの。その奇妙なシンクロが。「気狂いピエロ」も監督ゴダールが好きな女(アンナ・カリーナ)を撮った作品だというのは、アタマにあったんだけど。


 ところで社長秘所は、新年早々初詣巡りをして、ナニを考えていたのかと言うと、、、


 社長秘所辞めたい、、、、、

 
 って。何をお前はぬかしてんだよと言われそうですが!
 

 いろいろあるのよ!
 いえね、バスガイド業社長秘所業も仕事自体は好きなんだけど、それ以外のいろんな部分でキツいなぁというのをヒシヒシと感じておりまして。実は一時期「鬱」に陥ったりストレスで体調崩したりしておったのです。そういいつつこなしちゃったり頑張っちゃったりするとこが私の妙に器用で自分では好きじゃない部分なんだけど。自分の中で「仕事」というのが大きな部分を占めるからこそ、キツいのですのよね。人から見れば贅沢だったり甘いんだと言われそうではあるのですけれども、でも、「意に添わない」ことをやり続けるのはストレス溜まるね!ほんでストレスってのは身体を蝕むのですよ。


 さて。
 そうは言いつつ、何かしないと食っていけないし、今の仕事辞められないのです。家賃払わないといけないから!何か「書く」仕事をすればと言ってくださる方もおられるのですが、当方全くそういう仕事に関して無知で今まで無縁ですので、どうすりゃいいこっちゃ全くわかんないのです。本当に無知なんだって。誰か教えてください。


 年末年始に実は用事もあり2度純情少女Nちゃんと会ったのですが、実はエロビデオの話ばかりしてるというわけではなく相当お互い真剣に将来の話などもしておりまして、なんやかんやと深刻になったりもお互いしていたのですが、Nちゃんはこう言うのです。


「でも考えすぎたら何もできないよね。全く考えないのも駄目だけど。だから考えすぎないように、目の前のことをとにかく一生懸命にこなすしかないよね。」


 Nちゃんはいいこというね!


 そんなエロ子さんの年始でした。とりあえず、近々、滋賀県安土城跡行きたい。別に理由はないです。史跡巡りが好きなだけです。


 それより今一番の問題は、31日に炊いたご飯の残りを冷蔵庫に入れっぱなしなのですが、これは食べて大丈夫かどうかということです。冷凍しときゃよかった。