私は地味な女


 夫がある日、こう言いました。

「○○さん(私の本名)の書く主人公って、地味すぎる」

 と。

 確かに……。
 短編「おばけ」の主人公は夫に浮気されている外出もほとんどしない飾り気のない女。
 「萌えいづる」の主人公は不倫相手に捨てられ嵯峨野の土産物屋で働いて家に帰るとこちょこちょとなんかつくってる女。
 「そこびえ」の主人公は元は花街の女だけどお花の先生しながら京都でほそぼそと暮らす女。
 「花祀り」の主人公だって、もともとは田舎から出てきてもっさりとした非常にパッとしない処女でした……。

 私の描く女達が地味なのは、私が地味な女だからです。

 先日は、ついに夫に言われてしまいました。

「地味な主婦やん」

 て。

 いや、地味ですよ。夜はほとんど家にいるし。飲みに行くとか遊びに行くとかしないし、ひたすら仕事してるし。
 外出といえば、近所の神社とか寺に仏像見に行くぐらいだし。
 一緒に住みだして、夫はしみじみと私の地味さと真面目さを痛感したようです。
 いや、ホントに真面目で地味なんです。
 っていうか、小説家って仕事はホントに地味。
 会社勤めとかしてると、オンとオフが切り替わるから遊んだりもしてたが、それがないし。あ、でもそれも人によるか。華やかな生活してる人もいるし。
 私はもともとが地味でパッとしないからこうして引き籠れる仕事について、これからますます地味になっていくことでしょう。

 そんな地味な私が、高収入求人誌「モモコ」に連載しておりました「私は男運の悪い女」というエッセイなのですが、連載は終了しましたが、ネットで読むことができます。
 12回分が、1人の男の話で埋まってしまった……。 
 この男のあとも、いろいろバラエティにとんだ話があるので、いつか続きを何らかの機会で書けたらなと思っています。

「この人よりは私の方がマシ!」と思える私のコラム、こちらから読むことができます⇒http://momoco.ch/colum/kannon/