6月の東京 

 まずはお知らせをば。

メンズナウの連載コラム「関西エロ名鑑」第4回がUPされております。
  今回登場していただいたのは、必殺シリーズ・大蔵映画研究の第1人者でもあり映画監督の山田誠二さんです。闇のエロスについて、そして山田さん自身のセクシャリティと、生い立ち、創作論など、深くつっこんで聞いております。
 こちらからご覧いただけます→http://www.mens-now.jp/column/pref/d/201107/w/hanabusa/p/1/



WEBスナイパーに、団鬼六先生追悼特集の中で「鬼ゆり峠」について、および女同士の性愛について書いております。団鬼六先生追悼特集では、他にも様々な方が書かれておられますので、この機会に知っていただけたらと思います。
 こちらからご覧いただけます→http://sniper.jp/300special_issue/3007tribute_to_dan_oniroku/post_1805.php


 先週末から今週頭にかけて、東京に行ってきました。
 日本文芸家クラブの懇親会にお誘いいただいたり、幾つかの取材を受けたり、人と会ったり盛りだくさんの数日間でした。
 そんななか、25日は「由美香night」に行きました。元AV女優でもありピンク女優でもあった故・林由美香さんの出演作品の上映と関係者のトークショー
 上映されたのは「たまもの」「誕生日」「日曜日は終わらない」「由美香」の4作品で、このうち、「日曜日は終わらない」以外は全部観たことがありました。と、いうか、「誕生日」は、初めて観ると思っていたのですが、以前、梅田日活での林由美香特集で観たことがあり、すごく印象に残っていたのだけどタイトルと監督名が違っいていて、この数日前に、同一作品であることを知りました。
 
 どの作品も内容はおもしろく、林由美香さんはかわいくてきれいで、軽ろやかな存在感で、あらためて、いい女優さんだなと思いました。いい女優さんとは、演技がうまいとか美しいとか、そういうこと以上に、人の心を揺り動かすことが出来る人だということです。

 最後に、平野勝之監督の「由美香」が上映されました。
 この作品は何度も観てはいるけれど、こうして大きなスクリーンで観るのは初めてです。
 何十回も観ているけれど、飽きないし、観る度に、涙がこみ上げる。
 
 この作品が、こうして大画面で、たくさんの人に観てもらえることに、いろいろ想いがありますが、それはまた機会があればどこかに書くか話すか出来たらと思います。
 「由美香」、傑作です。

 翌日は、林由美香さんの命日で、お墓詣りにご一緒させていただくことができました。
 「みんなに愛されていた」――月並みな言葉だとは思うけれど、こうして、みんなが集まり、語りあえて、素晴らしい作品を残して、これからも、ずっと忘れられることもなく、ここに、いる。
 それで、いいんじゃないかと、思った。

 「監督失格」を観て思ったのは、
 人が出会い、縁を結び――そして、失われてしまうことのもたらす痛みと苦しみと、物を創ることの重さと残酷さ、でした。その道を選んだ人間を、選ばざるを得なかった人間に、のしかかる魔物を目の当たりにした時に、恐怖に近い感覚に襲われました。

 私が作家となり、今、この時期に、「監督失格」という映画に出会えたことに、すごく感謝をしています。平野さんや、この映画に関わる全ての人に、感謝を。

監督失格」は、山形国際ドキュメンタリー映画祭のインターナショナル・コンペティション部門に選出されたそうです。今年は1,078本の作品から15本が選ばれ、『監督失格』は日本勢として唯一の選出で、共同製作を除く日本作品としては、2007年に特別賞を受賞した河瀬直美監督の『垂乳女 Tarachime』以来のノミネートとなるとのことです。



 「監督失格」予告編、公開しました。
 プロデューサーは庵野秀明さん。
 音楽は矢野顕子さん。


 予告編の冒頭に、カンパニー松尾監督が映し出される。
 試写会で観てから、この松尾さんの表情と、声が、ずっと耳について、離れない。

監督失格」公式サイト→公式サイト→http://k-shikkaku.com/