GETE −ゲイト−
昨年は思いの他、不思議な「縁」というものについて考えざるを得ない年でした。どこかで、いろんなことが繋がっている。偶然なんてない、全て必然を帯びているという考え方もあります。そうすると、自分がめぐり合う「縁」も、必然性を帯びているのでしょうか。
さて、私は現在必要にせまられ、曹洞宗の本山・永平寺について調べているのですが、そのことを、年末に実家に帰った時に父に話した折に聞いた話。正確にいうと、以前聞いていたのですけれど全然気にとめずに聞き流していた・・・
私が調べているのとは全く関係無しに、うちの実家は曹洞宗なんですね。とか言っても皆信仰心など無いし、たまたま先祖代々お世話になっているお寺さんが曹洞宗だったというだけ。私は(中退やけど)大学は浄土真宗系だし、去年のクリスマスイブは教会の礼拝に参加したし、神社でお参りもするし節操無しです。
GATE ―ゲイト―という映画を御存知ですか?
こういった内容だそうです。
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《この世に二度と同じ悲劇を起こさないと願ったある日本の僧侶たちの祈りの行脚。2005年7月、僧侶たちは、アメリカンインディアン、宗教や宗派を越えた平和を祈る様々な人々と共に、アメリカ、サンフランシスコから、世界最初の核実験が行われたニューメキシコ州のトリニティサイトまで、砂漠、山、250以上の街を越え、灼熱の中、2500kmの旅をした。60年間、祈りとともに絶やす事なく燃やし続けた大切なものを運んで。広島の原爆投下から採取した原爆の火。すべてが始まった悲劇の原点、グラウンド・ゼロ(爆心地)にその火を戻し、負の連鎖を絶ち永遠に眠らせる。
60年間、一度も開かれることのなかったトリニティサイトのゲイトは、果たして開かれるのだろうか。僧侶たちは、目的地であるトリニティサイトへ、一体どのようにして辿り着けたのか…》
(GATE HPより)
監督はマット・テイラー。日本語ナレーションは松嶋菜々子。音楽は小林武史。
私はまだ観ていませんし、父から聞くまで存在も知らなかったのです。
普段映画を見ない父が、何故にこの映画の存在を知り、観たのか。それはですね、うちの実家が、この映画に出演する行脚する僧侶の1人である大田大穣師(堪忍老師)が、昔に住職を勤められていたお寺の檀家なんです。
そしてそのお寺の経営する保育園に私は通っていて、「大田園長先生」のことは、よく覚えております。檀家だったので、卒園してからもお逢いする機会は何度もありました。
父曰く、「○○(私の本名)は、作文と絵が得意だと誉めてくれていたので、向こうも覚えてくれてる筈だ」とか。(ホンマかいな。うちのオトンはかなりええかげんです)
今現在、大田大穣師は、本山永平寺のかなり高い位におられるそうです。
この映画の存在を知って、初めて大田師自身が被爆者であることを知りました。
HPの左下の動画に、「園長先生」が居らっしゃるけれど、私は笑顔の園長先生しか記憶にないので、こんな厳しい顔を多分初めてみた。
自分の知らないところで、こうして「動いて」いる人達がいる。
それを想うと、「知らない」ということは罪なことだと思う。
普段、仕事で学生に接していますが、私達は勿論ですが、今の子供達にとって戦争なんて、原爆なんて違う世界の出来事です。まるで、ゲームか映画のように。
以前、すごく驚いたことがありました。
京都の有名私立大学の学生と話していて、「京都って原爆が落ちたんですよね」と、言われた。
言い間違いとかかと思ったが、違うんですね。「原爆」と「爆撃」の違いを知らないのですよ。
無知って罪だ。
以前、「ヒロシマの青い空」http://d.hatena.ne.jp/hankinren/20070123#p1というタイトルで、広島で接した方々のことを書きました。あれは、忘れられない。
そのの経験以外でも、被爆者を家族に持つバスガイドさんの真摯な姿勢に胸を打たれたこともある。
普段、修学旅行生を京都とか奈良とかを案内している私が言うのもなんですが、修学旅行は広島や長崎に行った方がいい。学生のうちでしか、なかなかそういう場所に行かないと思うんですよ。大人になって、さあ旅行に行こう! って、原爆ドームや資料館、ましてや原爆の話を聞く機会なんて、なかなか無いと思う。あればいいのに。
以前、某有名大学の学生が、腹いせに、広島に捧げられた千羽鶴に火をつける事件もありましたよね。
原爆資料館に行ってね、ショック受ける子も実際は多いんですよ。食事が喉を通らなくなったり、ダメージ受ける子も何人もいました。
それでも、私はあそこには一度行った方がいいと思う。
ダメージ受けても、行った方がいいと思う。
人が死ぬということが現実であることを、目の当たりにした方がいいよ。
「原子爆弾」を知らないなんて論外だと思いたいけれど。
戦争は、遠い遠い昔の話じゃないのに。
GATE ―ゲイト― http://gate-movie.jp/(HP)全国で上映会等をしているみたいですね。なんとかして、観たい映画です。
こちらは予告編。
ところで、父に聞いた話、番外編。
うちの曾祖母は、私が6歳の時に亡くなったのですが、その葬式の際にいらっしゃった大田大穣師に向かって、親戚皆が居る席にて、6歳のわたしが・・・
「なんで坊さんは、毛がないの?」
と、ほざいたそうな。
父曰く、「非常に、恥ずかしかった」とのこと。
・・・・・すいません・・・・・