時をかける下品なお姉さん

hankinren2007-07-16



 どす。どすどす。(←京都弁)
 せっかくの連休、エッチマンの主題歌でも考えようと思いましたが、そんなことはいつでも出来ることなので、久々京都ぶらぶら歩きに行ってまいりました。

 本日参りましたのは、京都百万遍知恩寺の手作り市どす。http://www.tedukuri-ichi.com/浄土宗の本山の知恩院とは別のお寺なので間違えないでねん。

 この知恩寺では毎月15日に「アーティストのフリーマーケット」と言われる手作り市が開かれるのです。毎月15日と決まってるので、平日だったらお勤めしている私は行けないのねん。ほんで、今回は台風で16日に順延したんやけど、上手いことお休みやったんで行きましたの。すんげぇ久々ですねん。

 「手作り」と聞いただけで、「どうせだっせぇモンしか無いんやろう」と反応するあなた! (←うちの上司)一度来てみてご覧なさいよっ! 「アーティストのフリーマーケット」と言われてるだけあって、この手作り市の商品は、相当レベル高いわよ! (そうやないもんもあるけどね)ほんでお値段も安いしね。
 写真は戦利品。ブックカバー、ピアスなどなど。全て千円以下ですよん。可愛いでしょ〜っ(自慢)


 アクセサリーが多いですが、手描きのポストカード、洋服、和服、陶器、石鹸、漬物、ケーキ、洋菓子、鞄、野菜、整体やマッサージなどもありますの。京都なので古布を使ったモノが多いですわね。陶器にも惹かれましたが、来月にでかい陶器市があるんで今回は我慢。和モノだけや無く、ベトナム珈琲とか、カレーのスパイスやら、韓国の食材やら、ハーブ類やら、いろいろございますの。

 普通のおっちゃんやオバちゃんもおるけど(一人、歌を歌いながら組紐を編むおばあちゃんもいた)若いアーティストの女の子は、皆お洒落で可愛くってねー(にやり)。
 お洒落って言っても、ファッション誌のモデルみたいな「今時の女の子っ!」って感じじゃなくって個性的で、だけどそれが似合ってて、ふんわりした感じで可愛いの。ファッション誌から抜け出たような今時の女の子って、確かに綺麗やけど、なんか攻撃的な綺麗さやない? 良くも悪くも。皆が皆そうやないけど。
 ほんで、ただの売り子さんやなくって、自分の創ったものを売ってるわけだから「すげー可愛いっ!!」って、お姉さんがピアスとか買ったらめっちゃ嬉しそうに「ありがとうございます!」って言ってくれるし、もうね・・・・お姉さんのね・・・・ち○ち○がね・・・(自粛)

 あと、自分のキャラクターグッズ売ってるオジサンが居た。丸っこい愛嬌のあるオジサンで、自分の似顔絵入りのバッグやらメモやら売ってんの。それがあんまりにもそっくりで皆に「似てるー!」って受けてた。

 手作りのパンやらケーキやらクッキーも美味しそうでしたよ。あと、ブルーベリーやリンゴやらの大福餅も売ってます。マッサージや整体は野外やから皆の目に晒されながらやられまっせ。あ、手相占いもあったなぁ。

 自分で創ったモノを売るってのは、売る方も楽しいでしょうね。来月京都五条坂で開かれる若宮八幡宮陶器市にも若い作家さん達の露店とかも出るんやけど、私が今使ってる御飯茶碗は去年そこで買ったヤツです。一点モノでっせ奥さんっ! 300円ほどやったけど、買った時、若い陶芸家(おそらくまだ修行中の身なのでしょう)のお兄ちゃん達ににエライ喜んで貰えたぜ。なんか握手求められた記憶が・・・

 ここで売ってる人は、アマチュアさん(そうやない人もおられますが)が多いのでしょうが、だからこそのエネルギーがあるし、マジに商品レベル高くて安いモノもたくさんあるんで知恩寺の手作り市はお勧めでございます。

 あと、知恩寺には、伏見城で亡くなった徳川家の忠臣鳥居元忠血天井の話参照)のお墓があります。元忠の首は石田三成によって大阪城京橋口に晒されたのですが、元忠に恩義のある町人がその首を奪還し、この知恩寺に葬り供養したという話です。
 
 せっかくなので、もっちー鳥居元忠のこと)の墓参りしようと思いまして、お寺の人に「お墓どこですか?」と聞きました。知恩寺墓所は、本堂の裏手にある普通の墓地でした。境内の中は手作り市で賑わっておりましたが、墓地はまるで別の空間のように静寂でした。もっちー(こんな呼び方してるのは私だけやと思われる)のお墓は、ホント普通の墓地の中にあって意外な感じでした。もっとごっついと思ってたの。
 あんな壮絶な死に方をして、今でもその「跡」が血天井として残されている猛将とは思えないぐらい、一般の方達と同じ墓地の中に静かに元忠は佇んでおりました。


 でも、血天井を見たり、こうして元忠のお墓に来ると、「歴史」って不思議やなぁってしみじみ思いますね。
 同じお寺の境内の中で、アマチュアのアーティスト達が自分の作品を売っていて、徳川の為に壮絶な死に方をした元忠がこうして静かに眠っていて。ホント、京都って時空のズレがズレのまま存在している土地のようです。気分は時をかける少女。そうだなぁ、尾道行った時も似たような感覚があったなぁ。今自分が、どこの時代に居るのかわからなくなるような感覚。


 11時には手作り市を切り上げました。せっかくここまで来たので、近くの進々http://homepage3.nifty.com/cafemania/05kyoto/kyoto4.htmlでお茶したり、吉田神社http://www.geocities.jp/kyoto_yosidajinjya/行ったり、古本屋めぐりなどをしたかったのですが(京都大学の近くなので古本屋が多いの)、私は行かねばならぬ所があるのですよっ!! 奥さんっ! 奥さんっ! 奥さぁーーーーんっ!!


 私が行かねばならぬ場所・・それは、哲学の道近くにあるグルニエhttp://www.walkerplus.com/kansai/gourmet/contents/kyy329.htmlというお店どす。何で急いでいたかと言うと、ここのカレーは一日20食限定なのね。カレーは11時半からなんやけど食いっぱぐれたらいけないので、11時半きっかりには入りたかったのね。ここは食べ物はこのカレーしか無いんですよ。珈琲も美味しいけどカレーが美味いの。好みはあるだろうけれども私は大好きです。

 カレーもいいけどお店の雰囲気自体が凄く好きで、ここも時空のズレがそのまま存在するような場所です。すんげぇ居心地が良い。離れられないのっ!! その気になったら一人で何時間も居られるな、ここには。
 こういう場所が減ってるからなぁー。木屋町の「みゅーず」も無くなったし、珈琲が出てくるまでに一時間以上はかかる「C」は休業中やし。「グルニエ」については、AV「くるみのブログ」http://d.hatena.ne.jp/hankinren/20070116#p1参照。


 ずっとその時空のズレみたいな空間に居たかったけれどもそういうわけにもいかずに、バスで四条河原町へ。今日は祇園さんの宵山なんで昼間も人が多い。そういえば、本当は祇園祭の期間は胡瓜を食っちゃいけないんですよ。祇園祭の舞台である八坂神社の神紋が胡瓜の輪切りに似ているから。グルニエでカレーについてきた胡瓜のピクルス食っちゃったよ。

 京都にはいろんなしきたりがあるんどす。どすどす。こういう京都のしきたりって言うのも一つ一つ理由があって面白いんどす。どすどす。浴衣姿のお姉ちゃんが街に溢れてて、にやり。

 街はコンチキチンコンチキチンの祇園囃子と人混みです。夜になったらもう本当に凄い人なのよ。

 私は京都の台所・錦市場http://www.kyoto-nishiki.or.jp/へ。
 田中鶏卵http://www.kyoto-nishiki.or.jp/shop/tanakakeiran/tanakakeiran.htmのだしまきと、麩房http://www.kyoto-nishiki.or.jp/shop/fufusa/fufusa.htmの麩の田楽を買いました。
 他にも三木鶏卵http://www.kyoto-wel.com/shop/S81174/京野菜かね松さんhttp://nishiki-kanematu.com/豆腐のこんなもんじゃhttp://www.kyotofu.co.jp/shop/monja/index.htmlなどのお勧めの店もございます。


 あ、今さっきテレビで祇園祭宵山中継やってた。
 早目に逃げて良かった。
 この祇園祭の鉾は、普段は八坂神社の枝垂桜の側に納められてるのよん。


 新潟の地震のニュースはグルニエで聞きました。
 うちの実家も数年前に(地震やないけど)天災に遭遇して、あの時のことを思い出してしまいます。
 
 今日は都のあちこちでコンチキチンコンチキチンが鳴っているけれども、その音ももしかしたら「今」では無くて京都という場所の時空のズレの向こうから聞こえて来ているような気がします。


 時空のズレのような空間に居たら、今自分が囚われている「現実」も、本当は存在しないもののように思える。
 「私」という存在も、本当は存在しないのかもしれない。


 存在するのは、「時間」という静寂な音楽だけで、その流れに身を任せてただ与えられた物事を受け止めながら生きる。 それだけでいいのかもしれない。